所報5月号
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17会員トピックス治3年、菜種油商「藤村商店」として創業した藤村石油株式会社が、今年で140周年を迎えた。藤村家は代々、松山藩・大洲藩の米穀御用商人をつとめていた。しかし、明治3年、政府の兵制改革のあおりを受け、米商人を失職。その際、藤村嘉吉氏(ふじむらかきち)が菜種油商として「藤村商店」を伊予市にて創業した。嘉吉氏は、堅実な商売を営み、創業から24年目には、紐育(ニューヨーク)スタンダード石油会社の製品の取り扱いを開始。今日の藤村石油の礎を築いた。 その後、本社を松山市中央1丁目に移転。菜種油から始まった事業は、モータリゼーションの波に乗り給油所を増やし、航空機燃料、プロパンガスの販売など事業を拡大。さらに、洗車・コーティング、クリーニング取次、コインランドリーなど、『洗う』をコンセプトに新しい事業を展開している。 現在は5代目となる藤村泰雄氏が経営を担う。泰雄氏は平成5年社長に就任。今までの経営を「成功と失敗を繰り返しながら歩んできた」と振り返る。大切にしているのは『知足安分(ちそくあんぶん)』、足ることを知って、分をわきまえること。自分自身を知ることこそが事業を継続していくひとつのコツだと肝に銘じている。 140年、様々な変遷を辿ってきたエネルギー業界。その中で、藤村石油は、次世代に向けたエネルギーの新しい可能性を模索し、これからも、エネルギー一筋に歩んでいく。藤村石油㈱明治3年創業創業140周年治3年、菜種油商「藤村商店」明治3年創業140周年140周年140周年140周年 現在は5代目となる藤村泰雄氏が経営を担う。泰雄氏は平成5年社長に就任。今までの経営を返しながら歩んできた」と振り返る。会員トピックスMEMBERS TOPICS事 業 所 概 要藤村石油株式会社代表取締役社長 藤村 泰雄 氏所在地/松山市中央1丁目2-23TEL/089-925-1230http://www.fujimurasekiyu.com/明治23年、酒類の卸・小売として創業した宇髙酒販が、創業120周年を迎えた。現在は、3代目となる宇髙茂氏が経営を担う。創業は茂氏の祖父。周桑郡(現西条市)の出身だが、現在の鷹子町にて酒の販売を開始した。その後、茂氏の父である、福馬(ふくま)氏が2代目として暖簾を引き継ぐ。しかし、福馬氏は茂氏が7歳の時に戦死。以降、母が店を切り盛りし経営を支えた。当時は戦時中だったことから米不足になったため、酒類は配給制となっていた。お酒を求めるお客に量り売りをする店を手伝っていたことを、茂氏は幼少の記憶として鮮明に覚えているという。 茂氏は、昭和29年、松山商校卒業と同時に3代目として経営に携わる。戦後の日本経済の成長とリンクするように、宇髙酒販も順調に事業を拡大した。全盛期には鷹子町を本社に、4店舗を経営、松山でも指折りの酒販店になった。 しかし、年号が平成へと変わった後は、酒類業界を厳しい環境が取巻く。酒税法の改正による規制緩和により、競争が激化。「今では松山市内で年間20店舗が廃業に追い込まれている」と語る茂氏の表情は硬い。その中で、茂氏は松山小売酒販組合副理事長など、様々な公職を務める。厳しい経営環境の中、業界全体が団結し、酒類業界を守っていくことが必要だと考え、自社はもとより、業界全体を取巻く厳しい経営環境に敢然と立ち向かっている。 今後も、宇髙酒販は、地域、業界のリーダーとして、また、老舗として、時代の荒波を乗り越えていく。宇髙酒販㈱明治23年創業創業120周年明治120周年120周年120周年120周年事 業 所 概 要宇髙酒販㈱代表取締役 宇 髙 茂 氏所在地/松山市鷹子町817-3TEL/089-975-0106明3代目茂氏3代目茂氏

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