所報6月号
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20コラム『坂の上の雲』のまち松山『坂の上の雲』のまち松山 今月号で10回目となるこのコーナー、今回の解説板は道後温泉です。 現在の道後温泉本館は、まさに『坂の上の雲』の時代である明治27年に落成しました。建設にあたっては、町議会において、神の湯(本館)の改築は総工費十三万五千余円、又神殿・霊の湯の改築は総工費六万余円で決定しています。棟梁は大工 坂本又八郎。和風建築の中に西洋技術を取り入れた建物は、当時の建築物でも最高水準だと言われています。以来、本館は道後温泉のシンボルとなっています。 「足なへの病いゆとふ伊豫の湯に 飛びても行かな鷺にあらませば」 正岡子規が道後温泉本館が改築された頃、明治31年に東京の根岸で詠んだ歌です。道後温泉に伝わる、足を傷めた白鷺の伝説をもとに、結核のため、寝たきりとなっていた子規が、鷺であれば足を治すために道後温泉へ飛んで行くだろうという望郷の想いを込めた歌です。 子規をはじめ、今も昔も、愛媛・松山を故郷にする人々の心に在り続けるのが道後温泉です。COLUMNコ ラ ム
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