所報7月号
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17会員トピックスの暑い陽射しを感じ、団扇を片手に涼をとる。日本の夏の風物詩である団扇。松山の老舗、永井団扇店は明治33年の創業から110年を迎えた。 初代は、永井長太郎氏。末広町の子規堂横で開業した。今でも全国の団扇生産量の約9割を占める丸亀から職人を集めた。松山で唯一の団扇専門店として30人を超える職人を抱え、事業を拡大した。大正に入り、贈答品としてカレンダーが登場し、その取り扱いを開始。年号が昭和に変わると、カレンダーは日めくりから、月めくりが主流になり、年末年始の挨拶用として広く企業に使われるようになる。こうした時代の流れとともに、永井団扇店も、取り扱いの8割をカレンダーが占めるようになった。団扇は、職人の高齢化や、機械貼り化の普及により、昭和38年には、手貼り加工に区切りをつけ、企画・卸へとシフトした。 現在は、4代目となる中井德明氏が経営を担う。先代である父親は、「椿さん」において商売繁盛を祈願する際、自分の店よりも得意先のお客様の商売繁盛を常に祈願するような人だったとか。また、代々培ってきた信用を大事にするよう教わってきたこともあり、先代の背中から学んだ経営姿勢は今も引き継がれているそうだ。 デジタル化が進む現代、団扇やカレンダーの需要は減少している。それでも、暦は必要であり、最近では六曜がブームにもなった。お客様からの信頼と繋がりを大切にし、その時々に合わせた変遷を辿る、団扇、カレンダーを今後も提供し続けていく。永井団扇店明治33年創業創業110周年会員トピックスMEMBERS TOPICS夏山の海の玄関「三津浜港」の連絡駅として栄え、アールヌーボー調の美しく優雅な曲線デザインが、モダンでレトロな雰囲気を醸し出す伊予鉄三津駅。その舎内にある、風月堂が創業90年を迎えた。「うす皮まんじゅう」に「いなかまんじゅう」、さらに、隠し味に白味噌を練りこんだ蒸しパン「みそ松風」など、地域に愛されるお菓子を数多く提供している老舗だ。 大正9年に菓子専門店として、和菓子作りを始めた風月堂。創業以来、三津浜商店街の中で製造・販売を続けてきた。その後、三津駅舎の新装に併せ、販売店舗を駅舎内に構えた。 現在は、3代目となる後藤孝志氏がのれんを守る。菓子づくりは、孝志氏の祖父が職人3人と始めたとか。当時、慶事弔事には菓子がつきもので、特に鯛や鶴を模った引菓子は結婚式には欠かせないものだった。注文の多さに、夜を徹して菓子を作り、朝市場へと卸していたこともあるそうだ。今では、模りの作り手が減り、市内でも数軒しか製造することができないとか。風月堂でも年に数件しか注文がないが、模りに必要な木枠は当時のまま残しており、注文に対応している。代表の孝志氏は、菓子の専門学校で学び、祖父や父親から、その技術と味を教わった。 伝統の技術、味を引き継ぐ風月堂。食べた人の笑顔を大切にし、これからも三津浜で伝統を守り、和菓子をつくり続けていく。㈲風 月 堂大正9年創業創業90周年事 業 所 概 要有限会社風 月 堂代表者 後藤 孝志 氏所在地/松山市住吉2-8-16TEL/089-951-0850事 業 所 概 要永井団扇店代表者 中井 德明 氏所在地/松山市真砂町122-4TEL/089-921-1365松

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