所報8月号
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11コラムCOLUMNコ ラ ム一般的に商店街でのインターネット利用といったら、ホームページを作り、それぞれの店舗紹介や週末に催されるイベント情報などの告知を行っているところが多いだろう。 珍しい事例では、今年1月に会員商店の商品を集め、自らネットショップ「ショップ厚木Yahoo!店」をオープンした神奈川県の厚木市商店会連合会が挙げられる。 しかしながら、多くの商店街では、ネット活用で大きな成果を出すのはなかなか難しい。では、どのようにしたらよいのだろうか。◆ 中小企業庁が全国にある商店街の中から、特に注目すべきアイデア事例を集め、ホームページ上で紹介している「がんばる商店街77選」の中にも、ネット活用に力を入れている商店街が取り上げられている。 こうした商店街のホームページをのぞいてみると、その特徴から大きく2種類に分けることができる。一つは地元型、もう一つは観光地型である。 地元型では、北海道札幌市にある札幌狸小路商店街や、東京都豊島区の巣鴨地蔵通り商店街、さらに石川県金沢市の竪町商店街が挙げられる。 まず、札幌狸小路商店街のホームページは、掲載されている情報の豊富さが特徴だ。細かく分けられた商品ジャンルやサービス内容から店舗を探すことができ、さらに通りごとに店舗を掲載するなど、検索方法の簡単さ、分かりやすさが秀逸である。 一方、巣鴨地蔵通り商店街は、観光客が散策するときの参考になるようにと、「散歩をする」「お参りをする」など、目的別に周辺情報を載せたり、動画を使ってイベントの様子を紹介したりしている。 また、竪町商店街が運営するホームページ「TATEMACHI.COM」は、今までの商店街のホームページのイメージを変えるもので、商店街の中継を行ったり、各店舗のブログを1つのページにまとめて周辺情報も得やすくしたりするなど、随所に工夫が凝らされている。そして、これらに共通するのは、地元への情報発信と親しみやすさの演出である。 観光地型では、神奈川県の横浜元町ショッピングストリート(元町エスエス会)や京都錦市場商店街のホームページを挙げることができる。 元町エスエス会は、最大の集客先である東京からのアクセスを詳細に載せるとともに、この商店街の宝であるまち並みをいかに大切に保存しているかを詳しく説明している。また、京都錦市場商店街は、遠距離からのアクセス情報とともに、周辺観光スポットの案内が充実。さらに、実際に商店街の中を歩いているような感覚を味わえるパノラマ写真が見られる工夫まで施されている。これらに共通するのは、地域の行政や観光組合と連携した、お客さまへのおもてなしの心である。 皆さんも、一度これらのホームページをのぞいてみては。Yahoo! JAPAN 小澤 富士男/おざわ・ふじお 1960年生まれ。システム開発、中小企業向けのコンサルティングを経て、その後、ヤフー株式会社に入社。ネットショップ関連のシステム開発に従事するとともに、各地の商工会議所でネットビジネス計画立案セミナーを開催し、ネットショップ開設の支援を実施している。また、システムアナリスト(高度情報処理技術者)や、ビジネスプロデューサー(オープンコンサルティングプロジェクト)、ビジネスGISコーディネータ(GIS学会ビジネス分科会)、MCSC:マイクロソフト認定システムコーディネータ(マイクロソフト)の資格をもち、著書には『日本列島データマップ』(2006年版・ダイヤモンド社・共著)、『面白 日本列島-データで見る都道府県の秘密-』(ネクストパブリッシング・共著) などがある。商店街でのネット利用ヤフー株式会社 小澤 富士男

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