所報8月号
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SPECIAL INTERVIEWこの人に聞く3回目となる松山赴任…過去には運転士も経験 ―ご経歴や松山の印象について教え てください。 旧国鉄に入社し、まず、現在の松山運転所である松山気動車区に配属されました。車両の検査修繕を担う仕事を振り出しに運転士も経験しました。その後、列車指令や車両、乗務員の運用業務に携わりました。JR移行後、瀬戸大橋開通や予讃線電化など、節目となるダイヤ改正作業にも従事しました。 松山への配属は今回が3回目となります。四国の全ての県庁所在地で生活した経験から、松山はお城を中心に路面電車が行き交うロケーションが良く、大変住みやすい街だと思います。野菜や果物類を良心的な価格で提供してくれる萱町、松山を代表する繁華街の大街道が近く、恵まれた生活環境だと感じています。鉄道利用者はこの 年間で約3割減少 ―鉄道の利用動向と今後の見通しに ついては… 弊社の平成22年度における1日当た地域との連携を深める 役割を担う企画部 ―そのような中で、愛媛企画部の位 置付けと役割は… 愛媛企画部は、当社の中核を担う鉄道事業本部とは別に、地域との連携を深めるという役割を担う部門です。平成12年に設置され、徳島と高知にも企画部が設けられています。愛媛企画部では、地元関係機関との連携を強化することで、交流人口の拡大や鉄道利用促進、駅周辺の活性化等を重点目標として事業を実施しています。また、各現場やグループ各社とも連携し、イベント等の企画、参加などによる地域活性化にも取り組んでいます。ラッピング列車などで 愛媛・松山をPR ―観光振興やまちづくりなど、具体的な 取り組みについて教えてください。 愛媛県、えひめ愛フード推進機構との三者によるパートナーシップ協定により、「食」を観光素材と位置付け、ラッピング列車「愛トレイン」を運行しています。また、愛媛県産品のPRフェアとして「大街道マルシェ」や「えひりの乗車人員(降車人員を含めない。)は、四国管内が約12万人、松山駅では7,125人となっています。残念ながら、鉄道利用者はこの20年間で26・5%、約3割減少しました。高速道路の延伸が進む中で、四国の鉄道は高速化投資の遅れから「速達性」の面で競争力が低下していること、また、車社会の拡大とそれに呼応したまちづくりにより、鉄道ネットワークの利便性も低くなっていることが減少要因として挙げられます。さらに、四国の人口は1985年の423万人をピークに、現在は400万人を割り込み、2035年には315万人になると予想されています。全国よりも高い減少率が、利用者減少にもつながっていると考えられます。 輸送規模の指標を示す「輸送密度」※1で見ますと、予土線、予讃線(海回り/向井原〜伊予大洲間)、牟岐線(阿南〜牟岐間)は、JR発足当時に比べ半分以下になっています。国鉄時代だと、真っ先に廃止対象路線に選定されるような数値です。鉄道路線が廃止されると、バスなどの代替輸送による運賃上昇や所要時間の増、さらには並行道路の交通量やCO2の排出量などが増加し、地域に与える影響は少なくありません。今後の人口減少、少子高齢化の時代は、大きな試練が待ち受けていると考えています。20「地域に根ざした信頼される企業グループを目指して」~地域との連携により、人口減少時代のなかで新たな需要創出を~四国旅客鉄道㈱ 愛媛企画部長 木村 晃 氏2この人に聞く

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