所報8月号
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SPECIAL INTERVIEWこの人に聞く めマルシェin高松駅」の開催にも協力させていただきました。フェアは、午前中に完売する商品が続出する好評なイベントとなりました。また、松山市とのパートナーシップ協定も4月に延長を決定し、ラッピング列車の運行や松山市のイベントから生まれた楽曲「この街で」を松山駅の列車到着メロディーに採用しています。5月には、野志松山市長に関西の旅行会社向け商品説明会で、松山の魅力をアピールしていただきました。 また、昨年はやむなく愛媛県内の5駅の無人化を決定しました。駅の無人化は、放置自転車の増加や治安の悪化が懸念され、地元自治体などへ「清掃や駅舎の維持管理をしていただく代わりに、無償に近い形で駅を活用しませんか」という働きかけを行いました。早速、「菊間駅を自治会の会合や高齢者の憩いの場として活用したい。」という申し出があり、住民交流サロンとして貸出しています。地元との連携が、より深まる結果となりました。高架事業と抜本的な鉄道高速化が当面の課題 ―今後の事業展望はどのように考え られていますか。 まず、松山駅付近連続立体交差事業の本格化です。高架事業の完成により、東西に分断されている生活圏が一体化することや、踏切による交通渋滞の常態化が解消されます。当社も高架事業を契機に、駅を交通結節点として機能強化し、鉄道利便性の向上と利用者の増加を図り、駅を主体としたまちづくりへ中長期的な視点で取り組みたいと考えています。 次に、鉄道の高速化です。当社の収入構造は、運賃、料金が比較的高額となる特急列車に大きく依存しています。振子車両の導入や電化等による高速化に取り組んできましたが、現在のインフラの状況では限界があることや設備投資の抑制などから、特急列車の表定速度※2は80km/hにとどまっています。鉄道の高速化は、都市間の移動時間の短縮につながり、観光交流の拡大やオフィス、商業施設の新規立地、都市機能の相互利用や行政投資の効率化などが期待されます。また、高速化路線での収益を源泉として輸送密度の低いローカル線を維持することもできます。新幹線の導入には長い期間を要することから、線形改良や新線建設などで高速化を進め、大幅な時間短縮を図ることが当面の課題だと捉えています。さらに、自治体との協力による駐車場整備やパーク&ライドの推進、人が集まる駅づくりに努め、新たな需要創出に地域と一体になって取り組んでいきたいと考えています。※1 輸送密度=輸送人員(人/日) ×乗車距離(キロ)÷線区の営業 距離(キロ)※2 表定速度=列車の運転区間の距 離(キロ)÷運転に要した時間(途 中停車駅での停車時間を含む) 現在松山に単身赴任中。技術畑を歩み、一番の思い出は、四国初の特急「しおかぜ」を運転した時の感激だとか。前任の研修センター所長時代には、四国で初めてとなる女性運転士の育成に携わっている。 座右の銘は、「練習は不可能を可能にする」「物事には必ず陰と陽がある」昭和53年 国鉄入社平成 6 年 高知運転所 企画助役平成 9 年 本社 運輸部運転車両課 副長平成12年 徳島駅長平成13年 松山運転所長平成15年 本社 経営企画部 担当課長平成18年 研修センター 所長平成22年 愛媛企画部長昭和31年生 愛媛県西条市出身木村 晃氏四国旅客鉄道㈱ 愛媛企画部長3この人に聞く
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