所報5月号
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PROFILE白塚重典氏昭和40年生 埼玉県出身 慶應義塾大学 経済学部卒昭和62年  4月 日本銀行入行平成11年  6月 金融研究所調査役平成16年  7月 金融研究所企画役平成17年  7月 企画局企画役平成18年  7月 金融機構局企画役平成20年  7月 金融機構局参事役平成20年 10月 金融研究所参事役平成22年  7月 金融研究所経済ファイナンス研究課長平成23年  4月 松山支店長 松山は2回目の地方赴任。入行後は、金融研究所にて金融政策の研究に長く携わっている。趣味はサッカー。今でも現役で、来松後も、松山のシニアチームでプレイしているほか、愛媛FCのホームゲームを欠かさず観戦しているそうだ。今年は、愛媛マラソンにも出場し4時間台で完走している。座右の銘は「Cool Head, but Warm Heart」(冷静な頭脳と温かい心)。冷静に分析して、どうやって人々の幸福度合いを高めていくかを考えるという、マクロ経済政策の仕事に通じる言葉だとか。所在地:松山市三番町4丁目10-2TEL:089-933-2211http://www3.boj.or.jp/matsuyama/日本銀行 松山支店―そのような中で、愛媛・松山が活性化していくには・・・地域を知り、その魅力を全国へ発信―どうすれば、理想的な物価上昇が見込まれるのですか経済の基礎体力を強くすることでデフレを脱却 松山に来て1年になりますが、とても素晴らしい街だと思います。一定規模の人口がありながら、街はコンパクトにまとまっています。また、かんきつ類や魚をはじめとした「食」、「坂の上の雲」などの「文化」は、全国に誇れる地域資源です。しかし、その魅力は、当地へ実際に来てみないとなかなかわからないように思います。また、松山の人は、当地の良さに気付いていないのではないかと感じています。 これからの地方は、大都市への人口流出により、首都圏よりも人口減少が早く進みます。松山も類に漏れず、経済環境は厳しさを増します。地域経済を活性化させていくためには、愛媛のブランド価値を高め、全国展開していくことが基本となります。愛媛県や松山市でも、トップセールスのもと、ブランド価値向上と全国展開へ積極的に取り組んでいます。引き続き、地域全体で、自分たちの良さを知り、その資源を磨き、全国へ展開していくための取り組みを進めて行くことが、これからの地域活性化のキーワードになるのではないでしょうか。 物価は人の体温のようなものです。人間も運動により体温が上昇しますが、物価も経済活動が活発になると上昇します。今の日本経済は、基礎体力が弱まり、体温がなかなかあがらない低体温の状態になっています。また、人口減少やそれに伴う先行き不安も、経済に暗い影を落としています。現状を打破するためには、経済の基礎体力を強くして、体温が上がるような状況に変える必要があります。そのために、日銀では、経済の成長基盤強化を支援するオペレーションを実施しています。金融機関への資金供給、また、国債はもとより、REIT(不動産投資信託)やETF(上場投資信託)といったリスクの大きい金融資産も積極的に購入しています。中央銀行は、原則、個々人のお金の使い方まで介入しないものですが、あえてそうした領域に踏み込んだ政策を実行することにより、金融緩和を強力に進めるとともに、日本経済の基礎体力向上を積極的にバックアップし、デフレ脱却を果たしていきたいと考えています。この人に聞くこの人に聞く3

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