所報6月号
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副会頭森田 浩治(株式会社伊予銀行 頭取)The winds of Matsuyama松山の私が考えるこれから地方の人口減少が地域社会に与える影響起こりくる問題に私たちができること この最近、私は随所で申し上げていることがあります。 それは、愛媛県では2010年から2035年の間に、人口が143万人から112万人に減少し、老年(65歳以上)人口比率が26.6%から37.0%に上昇するという予想データです。 過去25年間の人口減少は10万人ですから、同じ25年間にその3倍の人口が生産年齢層を中心に減少するという、これまでに経験したことのない変化は、地域社会に大きな影響を与えることは必至ですから、具体的な数字でそのインパクトの大きさと変化のスピードを感じていただきたいという思いがあります。 当然ながら、国、地方の財政、企業経営への影響は大きいでしょうし、社会保障制度や都市計画等も大幅な見直しが必要でしょう。マーケット縮小に起因する悪影響も免れないと思います。 しかしながら、人口増加と経済成長がスパイラルアップしてきた時代の感覚で、この事象第3回「必ず起きる大きな変化に向けて」を捉えがちになっていないでしょうか。 従来の視点では考えられない、「多様で急激な変化」が迫っている訳ですから、マイナスの影響や「良し悪し」でなく、「変化」として冷静に捉えることで、プラス面やチャンスも見えてくるはずです。 はっきりしているのは、単純な「縮小均衡」は有り得ず、「現状維持シナリオは無く、何らかの変化、転換が絶対に必要である」ということだと思います。 では、「どのように対応すればよいのか」ということになりますが、基本的なことながら、変化を「我がこと」として真剣に捉え、さまざまな事象をよく観察・分析し、中長期的な視点で様々な兆候の関連性を探る、ということに尽きるのではないでしょうか。 その上で、「未来は創り出すもの」という気概を持ち、地域社会が良い形で持続するように、前向きにチャレンジすべきでしょう。 また、変化への対応は、既に様々な分野で始まっています。例えば、拡大するアジアでの需要を取込むための生産・販売の海外展開が進みつつありますし、地域社会のあり方としては、高松市丸亀町の利便性の高い中央商店街に商・住を取戻す取組や、人口流出と高齢化が前提となる各被災地の復興プラン等から得られるヒントも多い気がします。 人口問題は、確実に起こる未来です。今後は、地域の各界・各層において、さらに多くの議論がなされ、より具体的に「変化」をイメージし共有するとともに、それぞれの力が連携することにより、「変えよう」「変わろう」という意識を常に持って、変革に向けて行動を起こすことが大切ではないかと思っています。コラムコラム6

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