所報7月号
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気象庁は、国土交通省の外局として置かれ、全国にブロック機関として札幌、仙台、東京、大阪、福岡の5つの管区気象台と沖縄気象台があり、各都道府県に地方気象台を設置しています。松山地方気象台は大阪管区に属し、愛媛県全域を管轄しています。主な業務ですが、一つは天気予報などの生活情報提供です。次に、警報や注意報、地震・津波情報など防災情報の発表・提供です。こういった情報は、24時間体制で専用線を使って報道機関や自治体などの防災機関へリアルタイムに提供しています。通信回線の発達で迅速な情報提供ができるようになった反面、情報の正確性や伝達自体の遅れなどに―気象庁について教えてください。天気予報・気象情報などの提供と観測・統計を担う注意を払っています。そして、もう一つの重要な業務として、気象観測・統計があります。様々な気象データを蓄積し、気候の変化などの分析を行っています。最近は機械での観測が多くなっていますが、大気現象や雲の状態など、人でなければ出来ない業務も多く、松山でも職員が観測を行うと共に、観測機器などの保守管理も行っています。 松山地方気象台は明治23年に、「愛媛県立松山一等測候所」として現在の松山東警察署付近に開設されました。昭和3年に現在の庁舎が建築され、その後、県から国へ気象業務は移管されましたが、120年以上にわたって同じ―松山地方気象台の概要と役割は…全国でも数少ない歴史を有する地方気象台場所で観測を続けている、全国でも数少ない歴史ある気象台です。現在、31名の職員が24時間体制で業務に携わっています。 庁舎は、愛媛県庁と同年代の洋式の建築物で、建築当時から変わらない部分が多く、平成18年に「登録有形文化財」に登録され、多くの方が見学に気象台を訪れています。 私事ですが、松山への赴任は今回が2回目となります。前回の赴任は昭和49年です。当時は、高い建物が少なく、気象台から松山城全体と天守閣が見えていましたが、ビルやマンションが多くなり、城山の一部が見えるだけになっています。また、気象観測への影響で風向風速計と日射・日照計は気象台から松山東高校の屋上に移設して観測を続けています。 松山での気象災害は、大雨・強風・高潮によるものが多く発生しています。平成13年に梅雨前線による大雨で、市内で多くの浸水被害が発生しています。また、平成22年に発生した萬翠荘近くの土砂災害と浸水被害は記憶に新しいのではないでしょうか。近年は、短時間に強い雨が降る「局地的大雨」(「ゲリラ豪雨」とも呼ばれている)による事故などの被害が増加しています。短時間で大量の雨が降る気候の変化と、街中がコンクリート化されて雨水が吸収されずに一気に低い場所へ流れ込むことが要因です。高潮や強風についても、平成3年と平成16年に台風が愛媛県の近くを通過して、海岸で多くの浸水被害などが発生しています。松山は、南予地方や高知県などと比較すれば、大雨などの災害の頻度は少ないのですが、災害は確実に発生しており、今後も注意・警戒が必要です。―松山における過去の災害発生状況は…大雨による土砂災害・浸水害、強風・高潮の災害は高い頻度で発生 東南海・南海地震は今後30年以内に起こる可能性が高くなっています。ま―東南海・南海地震への対応について最大震度は愛媛県内の多くの地域で震度6強松山地方気象台 台長 長澤 芳美 氏この人に聞くこの人に聞く2

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