所報8月号
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前回は、産学連携の相談スキームと愛媛大学の社会連携推進機構コーディネーターの方々を掲載しました。今号からは、企業と大学の橋渡し役であるコーディネーターをさらに詳しく紹介します。第2回 異文化のコミュニケーションによる「ちょっとした」イノベーションQ 土居さんのキャリアと役割を教えてください。A 企業は「昨日の延長線上に今日はなく、今日の延長線上に明日はない」という意識をもって、常にチャレンジしなくてはなりません。私は、企業経営に「重心移動」を勧めています。劇的な変化は難しいものの、材料や販売先等を少し変えるといった重心移動は可能でしょう。そうした、些細なイノベーションが、企業に付加価値を創造します。そして、大学はそういったアイデアの宝庫です。大学という異文化を活用し、ちょっとしたイノベーションを連続させることが、企業の発展につながります。いつでもお手伝いさせていただきますので、お気軽にご連絡ください。Q 連携が企業にもたらすメリットは…A 以前、大学という機関は研究と教育がミッションでしたが、数年前から、産学連携や地域連携を包含した社会連携がミッションに加えられました。産学連携とは、大学の研究シーズを企業に技術移転して事業化する取り組みです。しかし、言葉ほど単純ではありません。なぜなら、産学連携は異文化のコミュニケーションだからです。私は、これを男女の結婚に例えています。男女という異文化が結婚(連携)することは容易ではありません。しかし、連携(結婚)により、家庭という文化ができ、子どもが誕生します。産学も連携は難しいものの、新しいものを創造するためには、必要不可欠な取り組みです。Q 産学連携とは…A 通商産業省(現 経済産業省)に入省し、本省と四国経済産業局を経験した珍しい人だと自負しています。経歴は企画畑が中心です。産学連携には15年前の黎明期から携わっており、四国内の多くの連携システムを構築してきました。大学に来て、産と官の立場に加えて学の立場も理解できるようになりました。 組織の役割は、固く言えば、機構長を補佐し社会連携機構をマネジメントするポジションです。コーディネーターの統括役も担います。大きな視点では、愛媛大学が「地域の中で必要とされ地域の人に支えられる組織」となるため、産官学・地域連携のお手伝いをする職務だと捉えています。副機構長・社会連携企画室長 教授・統括コーディネーター土居 修身 氏【経歴】1974.4 通商産業省入省1982.4 四国経済産業局出向2006.4 同 総務課長2008.6 同 産業部長2010.4 現職連絡先:089-927-8651☆今号のコーディネーターコラムコラム13 当所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。 愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大学発のホットな情報を提供します。 ぜひ、ご一読ください!産学連携で地域経済をパワーアップ!第2回
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