所報8月号
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~幅広い視点と継続を力に、毎日来ても楽しい店舗づくり~「次代に求められるホームセンターを目指して」「次代に求められるホームセンターを目指して」~幅広い視点と継続を力に、毎日来ても楽しい店舗づくり~ダイキ(株) 代表取締役社長髙橋 宰 氏 過去のホームセンターという業態は、メーカーの大量生産、スーパーの大量販売という狭間で、同じ商品を安く売るというシステムで成り立っていました。現在、大手小売業は低価格のPB(プライベート)商品を多数展開しています。価格競争力が低下したホームセンターは、新しいビジネスモデルの構築を求められました。そのため、弊社は、創業時の事業を継承した「ダイキアクシス」と小売業に特化した「ダイキ」に企業を再編しました。「ダイキ」はホーマック、カーマとの経営統合により、DCMグループを組織し、スケールメリットを活かした商品調達により、新しい時代の波に対応しています。 今後のホームセンターですが、店舗の大規模化により他店を圧倒し、広域から集客しようとするモデルは厳しくなるのではないでしょうか。愛媛県内で例えると、大洲市のような商圏規模に、ホームセンターが一つ、同じお客様が毎日来店される・・・店舗が理想です。人の転入や転出が少ない地域が多くなり、10年経っても「人」が変わらない街で、お客様の年代や生活スタイルにあわ 弊社との出会いは、証券会社の役員として四国地区を担当していた18年前です。その後、金融や不動産の関係で縁があり、今回、社長という大役を拝命することとなりました。前職でも企業経営に携わっていましたが、小売業の舵を取るのは初めての経験です。 個人の力量が営業成績を左右する、金融や不動産業界と異なり、小売業は個の力よりも「野球」のような役割分担とチームワークがなければ業績が向上しません。弊社には、毎月500万人、平均単価1,800円のお客様が162店舗へ来店されます。4,600人のスタッフが、それぞれの役割を担う必要があります。「売る」だけではなく、挨拶や掃除など、当たり前のことを当たり前に「継続」して取り組むことが店舗全体の「力」になると伝えています。私自身も、同じ目線で仕事をするため、就任時に支給されたジャンパーの着用にこだわっています。 多くの業界で景気を判断する数値というものは、数ヶ月前のデータです。マスコミも政府や関係機関から発表された春先の数値から、景気が上向きだと報道しています。しかし、小売業では、3〜5月は良かったものの、6月はピタリと売上が止まっています。こういった、ダイレクトに伝わる動向を過去の経験からスピーディーに分析し、対応を検討しています。6月は雨の影響も考えられますが、小売業界全体が低迷しています。商品を見ると、鍋やフライパンといった、1年から2年で買い替える消費財が苦戦しています。逆に、節水型シャワーなどは好調です。このことから、消費者の先行き不安というマインドが、買い控えにつながっているという売上低迷要因が考えられます。今後、本格的な暑さの中で商品が動き出すと見ています。売れ筋商品を見極め、在庫をしっかりと持って商品を提供していく必要があります。このように、幅広い視点で、政治、経済、社会情勢などを分析して、消費者行動を測り、経営に活かしていきたいと考えています。―異業種からの社長就任ですが・・・個人の力量よりもチームワークが重要な小売業―景気動向はどう捉えられていますか。鍋やフライパンから市場動向を予測―ホームセンターのビジネスモデルとマーケットは・・・地域と密着し、何でも揃うホームセンターこの人に聞くこの人に聞く2

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