所報8月号
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副会頭 関 啓三(セキ株式会社 代表取締役社長)The winds of Matsuyama松山の私が考えるこれから 我が国は内外の景気低迷に加え、地球環境やエネルギー問題、高度情報化、少子高齢化、また産業構造変化による大都市集中、雇用の多様化など厳しい経営環境にあります。 会員企業の価値を高め、持続的な成長のためには、環境の変化や新たな問題への対応を、行政機構はもとより企業や家庭が一体となって取り組むことが必要です。 時代の変化や環境の変化に問題意識を持たず、何の行動もしない危機的な状況を『ゆでガエル現象』と言います。 これは水が入った鍋にカエルを入れて徐々に温めていくと、カエルは状況の変化に気が付かず、心地良く鍋の中に居て、やがて熱くなった湯の中でゆで揚がって死んでしまいます。ところが、沸騰して第5回「環境変化への 積極的行動が重要」いる湯の中にカエルを入れると必死で飛び出して火傷をするだけで助かります。 前者は、環境の変化に気付くのが遅れたために致命傷を負い、後者は、環境の変化へ反射的に気付くことで生き残ることが出来たのです。 私達は他人のことや異業種の変化には敏感ですが、自分の周りの変化には鈍感です。特に時代の変化を先取りする企業改革にはなかなか手を付けません。それは現在の状況に危機感を持っていない、持とうとしないからです。 世の中の変化に気が付かず、たとえ気が付いても大したことは無いと見過ごす『ゆでガエル現象』です。あたかもカエルが自分の周りの水の温度(環境)が上昇しても気付かず、気付いたときには手遅れでゆで揚がっているのです。 環境の変化は確実に進むこと。そのスピードは想像以上の速さだということを常に念頭に置くことです。 小さな変化があっという間に大きな変化となり、大きな変化はもっと大きな変化を次々と起して行きます。 ゆでガエル感覚、マンネリ感覚を打破するためには、時代の変化を利用する想像力を養うこと、積極的な行動を生むためには、マーケティングが最も重要になります。 環境の変化を自覚して、問題意識の感度を高め、柔軟な創造力と対応力を高めていくことが必要です。高度情報化と産業構造の変化マーケティングでゆでガエル感覚の打破コラムコラム6
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