所報10月号
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副会頭佐伯 要(伊予鉄道株式会社 代表取締役社長)The winds of Matsuyama松山の私が考えるこれから 以前、四国新幹線構想(大阪起点・徳島・高松・松山経由、そして豊予海峡を越えて大分へ)約480㎞の基本計画路線が描かれていた。災害時、山陽新幹線に代わる第二国土軸としての役割も必要性の一つに上げられ、四国にもいよいよ新幹線の出現かと楽しみに思っていた。ところが、2008年に国の財政事情により、調査業務予算執行が停止となり、四国新幹線構想は頓挫した。しかし、高速鉄道は地域・経済活性化(観光交流の拡大・商業施設の新規立地・都市機能の相互利用及び公共交通の活性化)に大きなインパクトを与え、効果は四国全域に波及する。 先般、平成22年12月4日に東北新幹線の八戸から新青森が開通した。全線開通により、青森は東京から3時間余りで結ばれた。青森ねぶた祭をはじめとして、東北六大祭は震災後にも拘らず以前よりも賑わっている。しかも北海道までの開通は間近であり、大きな夢を与えている。 一方、九州新幹線は平成23年3月12日に新八代から鹿第1回「予測できた危機をなぜ防げなかったのか?」第7回「今、四国に必要とされるものの一つは」児島中央間が開通。こちらも全線開通となり、福岡から鹿児島中央までが1時間20分前後で結ばれた。鹿児島県の経済効果は463億円と言われている。ちなみに、NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」(平成21年から3ヶ年) さらに、これから全国で新幹線が整備され、先述の北海道では新青森から函館までが平成27年度に、中部地方では、長野から富山・金沢までが平成26年度に開通する。その上、時をおいて、新鳥栖から長崎、また、函館から札幌への開通も予定されている。これにより新幹線は、北から南まで、一つのネットワークが構築される。人口30万以上の地方都市で高速鉄道が通っていない地域は、四国(松山市・高松市・高知市)のみとなり、取り残されている状況である。高速鉄道化には、新幹線以外にもフリーゲージトレインや在来線の高速化等もあり、一刻も早い導入が望まれる。 加えて、高速鉄道は東京から関西を経て四国へ、さらに、九州から四国へ直接繋がる事が四国の活性化に必要である。新幹線が大阪発(高松・西条・桜三里を直線で走り、伊予鉄横河原線を伴走し)松山市駅経由松山駅着、この様な夢みたいな事を、勝手に思い描いている。頓挫した四国新幹線構想高速鉄道の一刻も早い導入をの経済効果は151億円、また、NHK大河ドラマ「龍馬伝」(平成22年)は234億円と試算されている。コラムコラム6

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