所報11月号
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フィリピンに到着後、現地の経済情勢や日本企業の動向などを研修するため、ジェトロ・マニラ事務所、そして、フィリピン日本人商工会議所を訪れました。 ジェトロの伊藤所長からは、「ジェトロ調査によると、ワーカー1人当たりの年間給与支給額(製造業)は約4,000US$であり、中国やタイ(ともに約5,700US$)よりも低い。給与支給額は、雇用者の社会保障負担等を加味した、雇用主年間給与支給額で比較する必要がある(雇用者の社会保障負担比率はフィリピンの約9.5%と比べて、上海は約44%、ハノイは約22%)。また、次世代の労働力は「0〜14歳」の人口比率が約35%(中国約19%、タイ約20%、ベトナム約23%)、失業率も高いため、将来的にも若年労働力は豊富。気候は、雨季と乾季からなる熱帯性気候だが、乾季の中でも12月〜2月はもっとも過ごしやすい(日本の初夏のような気候)。」といった他のアジア諸国と比べたフィリピンの優位点や環境が紹介されました。 次に訪れた日本人商工会議所では、「フィリピンに進出している日本企業の特徴として、現地の人材を活用した輸出志向型の製造業が中心。その多くはフィリピン経済区庁(PEZA)のエコノミックゾーンに立地している。ゾーン内では、税制面をはじめ、多くのメリットを享受できるため、フィリピンへ投資を行う場合は、PEZAの支援を受けることが肝要である。安 フィリピンに進出している多くの日本企業の皆さんからお話を伺い、フィリピンの人々は大変親日的で、進出をする日本企業には、現地政府からの多くの優遇措置があることを学びました。また、市内の状況は、高層建築物が建ち並ぶ近代的なビジネス街がある一方、開発途上のエリアも散見されました。フィリピンの特長の1つは、若い労働力が豊富なことです。高齢化が進む日本にとって、このフィリピンの人材を取り込み、ビジネスを展開していくことは、非常に有効であると感じています。 今後、当所としては、視察の内容を踏まえ、海外の最新事情を提供する国際ビジネスセミナーの開催をはじめ、海外進出やその予定をしている企業を中心とした、海外情報交換会などを実施し、企業のグローバル化のサポートに取り組んでいきます。全面については、犯罪の大半がマニラ市内の歓楽街を訪れる観光客に対するカネ目当ての犯行であり、駐在員の多くが生活するマカティ市内や工業団地周辺は、海外で生活する上での基本的な注意事項を守っていれば安全である。」との説明がありました。 続いて、海外企業の投資手続きをワンストップで行うフィリピン経済区庁(PEZA)を訪れました。ここでは、機関のトップであるリリア・デリマ長官自ら、フィリピン経済区庁の役割やフィリピンに投資することのメリット等について、お話をいただきました。 このように、現地の政府系機関への訪問から、フィリピンビジネスの特徴について、多くの情報を得ることができました。各機関への訪問後、視察団は現地に進出している日本企業5社を訪問しました。この内容につきましては、次号にて、ご紹介します。ジェトロ・マニラ事務所フィリピン経済区庁(PEZA)等を訪ねてフィリピン経済視察報告 【前編】10月13日(土)から18日(木)の6日間、白石会頭を団長に総勢17名の参加のもと、フィリピンにて海外視察研修を実施しました。今号と次号にわたり、その報告をお届けします。リリア.デリマ長官と視察参加者(PEZAにて)白石団長所感会議所の動き会議所の動き10

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