所報11月号
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は、大学の持つ多くの学術資産を企業が活用し、市場において新しい産業やシステムを構築することを通して、次代の日本の未来図を描く必要があります。 愛媛大学では、先に述べた通り、最先端の研究センターと1,000人近くの研究者を有しています。ここには、研究成果だけではなく、それぞれの分野における最新の情報も集約されています。愛媛という地方都市でも、世界レベルの技術や情報が蓄積されており、グローバル化する企業活動においても、大きな財産になるはずです。大学側も機構をはじめ、連携へ向けた受け皿を整え、研究開発に止まらず市場開拓までお手伝いしたいと考えています。今こそ産学連携に取り組み、数年後の大ヒット商品を企業と大学で創り上げていきましょう。矢田部 龍一氏昭和27年 山口県生まれ 京都大学大学院工学研究科土木工学専攻修士課程修了京都大学工学博士【経歴】昭和54年 4月 愛媛大学工学部助手 工学部助教授、教授を経て平成18年 2月 愛媛大学学長特別補佐平成18年 4月 愛媛大学大学院理工学研究科教授(現職)平成21年 4月 愛媛大学副学長平成22年 11月 愛媛大学理事・副学長(国際連携、広報担当)平成23年 7月 愛媛大学防災情報研究センター長(現職)平成24年 4月 愛媛大学理事・副学長(社会連携、渉外担当)(現職) 自身を「徹底的なサボリ人間」と表現するが、座右の銘は「完全投入」。いつも大きな目標を掲げ、それに向かって邁進しているそうだ。趣味は特にないが、この1年は生きてきた証という意味もあり「随筆」を記している。(下記アドレス参照)今は、社会に何かお返しをしたいという気持ちから、社会連携の旗振り役を担っているとか。所在地:愛媛県松山市文京町3番TEL:089-927-8145(社会連携支援部)http://www.ehime-u.ac.jp(個人HP)http://www.soil.cee.ehime-u.ac.jp/国立大学法人 愛媛大学 閉塞感のある現状の打開策は国際展開です。特にアジア諸国、中国やインドネシア、インドなどへ目を向けると、明るい展望が開けてくるのではないでしょうか。日本は、バブル崩壊以降、本来はグローバル化に舵を切るべきでしたが、―産学で目指す将来像とは・・・国際展開と地域・産・学の融合その取り組みは少し内向きに終始した感があります。愛媛大学でも、出遅れた部分もありましたが、今は国際展開へ積極的に取り組んでいます。特に成長著しく親日国でもあるインドネシアに注目しています。世界第4位の人口を有し、資源大国でもある同国との連携は日本に大きなメリットをもたらします。また、愛媛大学で学んだ同国の留学生が帰国して、高級官僚や大学の学長になるなど、豊富な人的ネットワークも有しています。企業の方も国際展開の際には、愛媛大学と連携して、こういった資産やネットワークを活用すれば、大きな武器になるはずです。 愛媛や松山は素晴らしい地域です。松山城や道後温泉という先人が遺した財産は、それがもつ理念をもっと全国へ発信するべきだと思います。街もコンパクトで空港の利便性が良く、海外にもつながっています。また、愛媛県全体では約5兆円のGDPがあります。こういった地域と企業、そして大学が融合すれば、新しい仕組みやビジネスを構築することができるはずです。一例は、愛媛大学との連携を進めている東レの炭素繊維です。世界で活用され、愛媛に生産拠点があることから、地域に産業クラスターをつくることも期待できます。シリコンバレーまでは難し や た べ りゅういちいかもしれませんが、地域と産と学が連携することで、新しい愛媛の将来像がイメージできます。今以上に、グローバルな舞台で勝ち抜かなければならない時代を目前に迎える中、地域及び産学連携を推進することで、愛媛から次代のモデルを築いていきたいと考えています。この人に聞く3この人に聞くこの人に聞く3

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