所報4月号
24/28
表紙絵を訪ねて~松山の八十八ヶ所霊場めぐり~第4回「浄瑠璃町 第47番 八坂寺」 松山に入って二つ目の札所「第47番八坂寺」が本コラムの今月のテーマです。 山岳信仰と仏教が習合した修験道。八坂寺は、修験道の開祖とされる役行者が600年代に開山、その後、伊予の国司、越智玉興が七堂伽藍を建立したとされています。熊野権現が勧請され、十二社権現が祀られたため、「熊野八坂寺」と呼ばれています。奥に佇む大堂山(おうどさん、現在名は大友山)に寺院を有し、修験道の根本道場として栄え、12の宿坊と48の末寺を持つ大寺院【「所報」4月号表紙】お遍路さんがつくった「四国のみち」とおもてなし 四国八十八ヶ所のうち、松山には八つの霊場が存在します。ここでは、表紙を彩る香川進先生の絵の舞台となっている、松山の八十八ヶ所霊場と遍路道という風景に秘められた物語をご紹介しています。だったようです。現在、寺院のある場所は、十二社権現が祀られていた宮跡になります。その歴史を物語り、毎年4月29日には修験道に伝わる火渡り修業、7月には、役行者が開山したといわれる石鎚山の夏季登拝を行っています。 「四国のみちは、お遍路がつくったみちであり、大切な文化」と語るのは、当寺のご住職です。四国八十八カ所霊場会の青年部会長を務められ、霊場会の『お大師さまと歩む四国遍路』に参画し、弘法大師尊像を背負い、青年僧侶・公認先達の有志と毎月2回、一泊二日にて遍路古道の全行程を踏破しているそうです。 ご住職は「お遍路さんの観光化は時代の流れだが、白装束や十善戒の意、感謝の心は忘れずに」と説かれます。歩き遍路だと、最初の札所から約800キロ。当寺に着くころは、日常生活の便利さや道中のおもてなしに感謝し、何かの気づきを得ている方が多いとか。駐車場横に設置されている、歩き遍路向けの無料宿泊所「通夜堂」の壁は、お遍路さんの「感謝」の言葉で埋まっていました。▲修験道の本尊「不動明王」と大堂山お遍路さんが夜露をしのぐ無料宿泊所「通夜堂」 コラム22
元のページ