所報6月号
15/28
当所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。 愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大学発のホットな情報を提供します。 ぜひ、ご一読ください!産学連携で地域経済をパワーアップ!第11回第11回 新!産学連携推進センター長(社会連携推進機構 副機構長)のご紹介 平成25年4月1日付けにて、愛媛大学の産学連携のリーダーシップを担う産学連携推進センター長に理工学研究科の八尋秀典教授が就任されました今号では、八尋先生をご紹介します。A 出身は福岡県です。九州大学工学部で学び、宮崎・北海道・広島大学を経て、15年前から愛媛大学で勤務しています。専門は、無機材料、特に触媒や燃料電池の分野です。燃料電池とは、電気化学的な反応により電気を継続的に取出すことができる発電装置です。代表的な製品を例えると、家庭での利用が増えているエネファームがあります。こういった燃料電池の電極には触媒が使用されており、その研究に取り組んでいます。東日本大震災の後、エコエネルギーは注目されています。その中で、社会に還元できる、インパクトのある研究を進めていきたいと考えています。Q ご経歴を教えてください。Q 愛媛における産学連携の旗振り役に就任されましたが・・・Q 今後の地域における大学の役割とは・・・A 産学連携センターは、企業のお手伝いができるよう、いつでもマッチングをさせていただきます。また、大学でどんなことをやっているのかを積極的に発信していきますので、ホームページなどをご覧ください。また、人と人とのつながりを大切にしたいという観点から、「社会人の学び直し」を展開できないかと考えています。卒業して就職した後でも、地元の大学であれば、働きながら、通うことができます。企業人を学生として受け入れ、その学生を通じて教員と話ができれば、産学のバリアフリー化が進むのではないでしょうか。その行き来の中で生まれるネットワークにより産学連携は理想の形に近づきます。そういった仕組みが構築された暁には、企業の方にどんどん活用していただきたいと思います。○推理小説が好きで、西村京太郎は300冊以上読んだという八尋先生。「刑事コロンボ」の結論を先に伝える展開は仕事にも活用できるそうだ。人と話すことを大切にと学生に説く先生だからこそ、企業の相談にも親身に応じてくれるのでは。Q 企業の方にメッセージはありませんか。A 私が所属する工学部は、出口側を気にする部門です。また、自動車の排気ガス触媒の研究に取り組んでいた時は自動車メーカーとの共同研究も行っていました。今まで、個人的には、企業との関わりが多かったと思いますが、センター長として、大学と社会がどのように接点を増やすかを考えるのは、まったく別の次元になります。愛媛県は1次から3次産業まで、幅広い構造を有します。大学としては、南予の農林水産業から東予の製造業まで、連携の懐が深い地域だと捉えています。また、今までも、炭素繊維をはじめ、サスナブルエナジー、電気自動車、光プラズマなど、産学連携による研究が数多く行われてきました。今までの経験を活かし、より多くの連携に取り組んでいきたいと考えています。A 文部科学省では、ミッションの再定義という言葉を用い、大学の改革プランを検討しています。その中では、国民に発信ができ、世界と戦える大学の構築を目指しており、さらに、地域の中で活躍し、連携できる大学が求められています。大学にとって社会連携が今以上に大切なミッションになる中で、地域の方から、愛媛大学があって良かったと思われることが必要です。そのためには、地域のイノベーションをはじめ、県や市町村、企業との連携拠点という役割を担っていきたいと考えています。愛媛大学 理工学研究科八尋 秀典 教授コラム13
元のページ