所報7月号
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表紙絵を訪ねて~松山の八十八ヶ所霊場めぐり~第6回 「高井町 第48番札所 西林寺」 四国八十八ヶ所を巡る当所報の表紙絵をテーマにした本コラム。今回は、第48番札所の西林寺です。久谷地区を抜け、重信川を渡り、松山の市街地へ入る場所にあります。 西林寺は、伝えによると、天平13年(741年)、行基によって開山、本尊の十一面観音菩薩を彫像し安置したとされています。当時、堂宇は今よりも東北の位置にありました。大同2年(807年)、弘法大師が四国巡礼の際に同寺に逗留。今の場所へ移し、四国霊場と定めたそうです。 現在の堂宇は、寛永【「所報」6月号表紙】秋風や高井のていれぎ三津の鯛今も伝わる弘法大師の湧水 四国八十八ヶ所のうち、松山には八つの霊場が存在します。ここでは、表紙を彩る香川進先生の絵の舞台となっている、松山の八十八ヶ所霊場と遍路道という風景に秘められた物語をご紹介しています。年間に焼失したものを、元禄13年(1700年)松山藩主、松平壱岐守をはじめ、諸役人の手により再建されたものです。 お寺の前には、きれいな川が流れ、門前には冒頭の子規の句碑があります。今は、水が豊富な地域ですが、昔は大干ばつで苦しんでいたところ、弘法大師が人々を救うために、錫杖を突き、清水を湧き出させたといわれています。お寺の西南にある「杖の淵」はその遺跡とされ、その湧水は「全国の名水百選」に選ばれました。また、きれいな水にしか生息しないという、天然記念物でさしみのツマに使われる「ていれぎ」が今も育くまれています。その「杖の淵」公園の中では、澄んだ水の中から、今も弘法大師が湧水を見守っています。 水が豊富なことから、周辺はうどん店が数多く軒を並べ、松山のうどんストリートと呼ばれるスポットになっています。弘法大師ゆかりの湧水は、昔から現在にいたるまで、市民の口を潤しているようです。▲杖の淵公園にある弘法大師像▲西林寺の門前を流れる小川コラム22
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