所報8月号
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入局後は、北海道勤務を経て、労務などの管理部門、イベントなどを行う事業部門に長く携わっていました。思い出深い業務は展覧会です。「トルコ三大文明展」をはじめ、少し変わり種ですが、グッドデザイン賞を受賞した「ロシア・アヴァンギャルドの陶芸展」などを担当したことが印象に残っています。そして、6月に松山放送局へ赴任しました。松山は適度な人口規模で独特な風景があり、住みやすい街だと思います。ヨーロッパには人口40〜50万人程度の都市が数多くあり、それぞれが特徴を有しています。様相は違いますが、松山にも同じイメージを持ちました。一方、上場企業も多く、経済規模は来松前の想像よりも大きいと感じています。 NHKでは、全国放送と地域放送を放送の両輪と捉えています。地域放送は、各地の放送局がその役割を担います。地域の情報を地域の方にお伝えすること、また、全国が一つの組織であるNHKネットワークの強みを活かし、地域を取材する中で発掘した情報を全国へ発信することに取り組んでいます。最近では、地域の視聴者に喜んでいただけることや全国への発信にもなることから、ドラマを各地の放送局で制作することが多くなっています。松山放送局では、田中麗奈さんが主演した「歩く、歩く、歩く〜四国 遍路道〜」を制作し、1月にBSで全国放送しました。徳島放送局でも6月にドラマを制作したほか、高知放送局も現在準備を進めています。ドラマを通して、地域を全国にアピールしていきたいと考えています。あわせて、地域に密着した番組づくりも大切です。それぞれの地域には、北海道なら大自然・・・というように、そのイメージがあります。松山であれば、「俳句」や「遍路」ではないでしょうか。先のドラマは遍路をテーマにしたものですが、俳句に関しては「俳句王国がゆく」という松山発の全国放送があります。こういった地域の特色がある番組制作に重点「地域を守り、元気にする 放送局を目指して」~松山に密着した番組制作と災害対応に取り組む~日本放送協会松山放送局 局長 原田 達也 氏―プロフィール、松山に赴任されての印象をお願いします。 新しい時代へ向けて、総務省には「放送サービスの高度化に関する検討会」が設置され、次世代の技術やコンテンツについて検討が重ねられています。その一つが、スーパーハイビジョンです。NHKが先行して研究を進めている技術ですが、ハイビジョンの16倍にあたる画素数をもった超高精細映像と高臨場感音響からなるシステムです。2016年のリオデジャネイロ五輪では実用化試験放送を開始し、視聴者にスーパーハイビジョンを体験していただき、五輪イヤーの2020年には本放送を開始したいと考え準備を進めています。 一方、スマートテレビのように、インターネットとの融合に関しては、現在、様々な番組で試行を重ねています。ツイッターと連動した番組制作や、「あさイチ」「オンバト+(プラス)」などのように視聴者がグッドデザイン賞を受賞した展覧会を担当―NHKにおける地域放送局の役割と取組みについて・・・。俳句と遍路・・・新しいキーワードは―デジタルへ移行し、今後の放送事業の方向性は・・・。スーパーハイビジョン&ハイブリッドキャスト的に取り組むとともに、新しい松山のイメージも探していきたいと考えています。この人に聞く2

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