所報9月号
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アドバイス日本商工会議所 会議所ニュース 6月21日号より抜粋《プロフィール》横浜国立大学を卒業し、1980年公認会計士及び税理士の登録。現在、日本公認会計士協会「経営研究調査会」事業承継専門部会 部会長、日本商工会議所「税制専門委員会」学識委員。著書には、『実践 経営改善計画の進め方』(清文社)、『社長さん必読!プロが教える事業承継の税金と法律』(東洋経済新報社)、『専門家のための Q&A経営承継円滑化法・事業承継税制徹底活用』(ぎょうせい)等がある。キド先生のコメント 経過措置の対象となるかどうかについては、原則として、その取引の「契約条項」の内容がカギとなります。リース契約や資産の貸付けなどはよく行われる取引だと思いますので、今後の取引において「契約条項」をしっかりと吟味することをお勧めします。「指定役務の提供」に 関する経過措置「指定役務の提供」に 関する経過措置「売上返品・貸倒れ」に 関する取扱い「売上返品・貸倒れ」に 関する取扱い経過措置を理解するためにABCD 答えはCです。リース取引については、リース契約を結びリース資産の引渡しを受けた時点での消費税率を適用します。次のリース取引に関するAからDまでの文章の中で、誤っているものが一つだけあります。お答えください。指定日の前日(平成25年9月30日)までの間にリース契約(所有権移転外ファイナンス・リース取引)を結びリース資産の引渡しを受けた場合において、売買取引として処理し固定資産に計上した場合には、リース資産の全額が課税仕入れとなり、5%の消費税率が適用されます。中小企業が指定日の前日(平成25年9月30日)までの間にリース契約(所有権移転外ファイナンス・リース取引)を結びリース資産の引渡しを受けた場合において、毎月のリース料の支払いの都度リース料として計上した場合には、課税仕入れとして施行日(平成26年4月1日)以後も、5%の消費税率が適用されます。中小企業が指定日の前日(平成25年9月30日)までの間にリース契約(所有権移転外ファイナンス・リース取引)を結びリース資産の引渡しを受けた場合において、毎月のリース料の支払いの都度リース料として計上した場合には、課税仕入れとして施行日前(平成26年3月31日以前)の分は5%、施行日(平成26年4月1日)以後の分は8%、それぞれの消費税率が適用されます。中小企業においては、指定日の前日(平成25年9月30日)までの間にリース契約(所有権移転外ファイナンス・リース取引)を結びリース資産の引渡しを受けた場合には、売買取引として譲渡対価の全額を課税仕入れに処理することも、賃貸借取引としてリース料の支払いの都度リース料を課税仕入れに処理することも、どちらを選ぶことも認められています。城所 弘明(キドコロ ヒロアキ)城所 弘明(キドコロ ヒロアキ)城所会計事務所 所長(公認会計士・税理士・行政書士) 商品の販売を行い、その後返品・値引き・割戻しがあった場合、販売時点にさかのぼって処理をするのではなく、その「返品・値引き・割戻しがあった」時点の課税期間で処理することになっています。これは仕入側の処理についても同様です。 しかし、その際に適用する税率は「返品・値引き・割戻しがあった」時点での税率ではなく、販売・仕入れがあった時点の税率を適用することとされています。 また、貸倒れについても同様に、貸倒れ時点での税率ではなく、販売時点の税率が適用されます。 したがって、施行日前(平成26年3月31日以前)に行った商品の販売について、施行日(平成26年4月1日)以後に返品・値引き・割戻し・貸倒れがあった場合には旧税率の5%が適用され、消費税及び地方消費税の申告書における「返還等対価に係る税額」又は「貸倒れに係る税額」の計算を行います。 「指定役務の提供」とは、冠婚葬祭のための施設の提供その他の便宜の提供に係る役務の提供をいいます。 指定日の前日(平成25年9月30日)までの間に締結した指定役務の提供に係る契約で次の要件を満たすものが経過措置の対象となり、施行日(平成26年4月1日)以後にその役務の提供を行う場合においても旧税率の5%が適用されます。経過措置を適用するための要件① その契約の性質上、その役務の提供の時期をあらかじめ定めることができないものであること。② その役務の提供に先立って対価の全部又は一部が分割で支払われる契約として政令で定めるものであること。③ その契約に係る役務の提供の対価の額が定められていること。④ 事業者が事情の変更とその他の理由によりその対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと。解答 クイズです!!546特集7
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