所報10月号
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当所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。 愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大学発のホットな情報を提供します。 ぜひ、ご一読ください!産学連携で地域経済をパワーアップ!第15回第15回 愛媛大学をスマートキャンパスに 今号では、愛媛大学の研究を紹介します。地域のみならず、日本全体で考えなくてはならないエネルギー問題。愛媛大学では、スマートキャンパスを切り口にその研究が進んでいます。プロジェクトリーダーの森脇先生にお話をお伺いしました。│先生のプロフィールを 教えてください。~サスティナブルエネルギー開発プロジェクト~ 専門は土木工学です。その中でも水工学を研究しています。水工学は河川に関する研究分野ですが、流域に降る雨量の予測など気象学とも深い関わりがあります。私も、都市化によって引き起こされるヒートアイランドや豪雨など、都市と気象に関する研究を進めています。│取り組まれている サスティナブルエネルギーの 研究について教えてください。│企業の方へ メッセージを。 非常用電源として注目されている小型風車の開発などについて、企業の方との共同研究を望んでいますが、ビジネスにつながりにくいようで苦戦しています。大学の研究者は、研究を世の中の役に立てたいという思いを強く持っています。プロである企業の方が見れば、ビジネスにつながる切り口が見つかるかもしれません。ぜひ大学の研究にご注目いただき、そのアイディアをビジネスに展開していただきたいと思いますし、そのために私どもも積極的に協力して参りたいと考えています。 東日本大震災や原発事故により、持続可能(サスティナブル)な再生可能エネルギー社会の構築が求められています。愛媛大学では、太陽光、風力、木質バイオマスなどの発電技術、蓄電・送電技術に関する最先端の研究が行われています。その個々の研究を連携させるべく、学部横断的な組織によりサスティナブルエネルギーの開発プロジェクトをスタートしました。内容の一つとして、プラズマ技術の研究が上げられます。プラズマ技術は廃液やゴミなどにプラズマをあて、炭素と水素にわける技術です。水素は電池の燃料になります。風力や太陽光などの再生可能エネルギーは安定供給が難しいことから、再生可能エネルギーとプラズマ技術により、水素を燃料として蓄え、必要な時に水素から電気をつくるという取り組みです。現在、その仕組みを愛媛大学内で構築するというスマートキャンパス化を検討しています。モデルが出来れば、スマートシティにつなげていくことも可能だと考えています。│そういった連携の中で 新しい取り組みも スタートしているとか。 都市化とゲリラ豪雨の関係性がマスコミで報道されていますが、学術的には都市と雨の関連は実証されていません。松山市は同じ平野の中で重信川を境に都市がはっきりと形成されていることから、都市化と気象を研究するのに最適な街です。現在、雲について研究していますが、レーザーで雲の高さを測ったところ、重信川を境に明確な差があり、都市化に雲の高さが関係していることがわかりました。次に、日射量の空間分布を測ることで、雲の出来やすい場所を調べる実験を予定していましたが、計測器を設置する場所やコストの問題で難航していました。ところが、このプロジェクトを通じた研究者間のディスカッションにより、太陽光パネルの発電量を収集して日射量を空間モニタリングに利用するアイディアが生まれました。プロジェクトの間接効果により、雲の研究が大きく進むきっかけになりそうです。今後、雲から雨への研究はさらに時間がかかりますが、いつの日か都市化と気象の関係を検証し、局地的な天気予報ができるようなシステムをつくりたいと考えています。▲地図は太陽光パネルのモニタリング場所愛媛大学大学院 教授森脇 亮 氏 2007年に愛媛へ赴任。縁もゆかりもなかった松山が、今は公私ともに気に入っているとか。41歳。コラム13
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