所報11月号
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 当所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。 愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大学発のホットな情報を提供します。 ぜひ、ご一読ください!産学連携で地域経済をパワーアップ!第16回第16回 愛媛大学をプラズマの総合的な研究拠点へ今号では、先月号に引き続き、愛媛大学の研究を紹介します。今回は、プラズマの研究です。今、注目を浴びているiPS細胞に関する研究にも関わりがあります。プラズマの研究に携わる神野先生にお話をお伺いしました。│先生のプロフィールを 教えてください。~iPS細胞への応用も期待~ 出身は京都です。赴任するまで、愛媛に来たことはなかったのですが、実は父方の祖父母が新居浜出身なのです。「神野」という苗字は、京都市内の電話帳には5軒しかありませんでしたが、愛媛ではポピュラーなようです。ご先祖様に呼ばれたのかもしれませんね。専攻は電気電子工学です。特に、プラズマと照明の研究を行っています。放電の分野からはじまり、プラズマの研究には25年以上も携わっています。 例えば、水を例に考えてみましょう。水を冷やすと氷という固体になりますが、この状態が最もエネルギーが低い状態です。氷へエネルギーを加えると水という液体、そして気体に変化します。その気体へ、さらにエネルギーを加えると、物質の最小単位である原子から電子が分離します。これが電離と呼ばれるもので、この状態をプラズマと呼びます。固体、液体、気体に続き、物質の第4の状態ともいわれます。プラズマの研究は古くから行われており、その語源はギリシア語で形に沿うとか型にはまるという意味です。ネオンサインなどのように、放電現象が放電管の形にそって行われることから、ノーベル賞を受賞したラングミュア│それが iPS細胞の研究にも つながっているのでしょうか。愛媛大学大学院理工学研究科 教授神野 雅文 氏  松山は大き過ぎず、小さ過ぎずと語る神野先生。趣味は戦艦大和で宇宙戦艦ヤマトのシリーズは全て見ているそうだ。機械いじり全般に興味があり、バイクの愛好家でもある。現在のバイクは試乗に行ったその日に契約してしまった1000㏄とカブだとか。47歳。│ずばり、プラズマとは…によって命名されました。プラズマの技術は半導体の製造などに使われていますが、身近なところでいえば、放電現象を利用した蛍光灯やプロジェクタのランプ、テレビなどがあげられます。最近、大気中において熱的非平衡というさわっても熱くない低温のプラズマを安定して発生できるようになったことから、研究の幅が広がっています。 低温のプラズマは生物にも照射が可能となります。この技術を利用して細胞に遺伝子を入れることができます。今までは、電流を流したり、薬品を使ったりしていましたが、プラズマ技術により、遺伝子を今よりも簡易に安定して入れることが可能となります。例えば、アレルギーのある方の皮膚へ、プラズマ技術を活用し、アレルギーのない遺伝子を大気中で皮膚に入れるといった応用が期待できます。特に、細胞をつくるために、4つの遺伝子を入れなくてはならないiPS細胞への応用を期待しています。医療分野だけではなく、植物や魚などの育種にも利用できるため、第一次産業の活性化にもつながる技術として、大きな可能性を秘めた研究だと考えています。│企業の方へメッセージを もう一つの研究テーマである、照明に関しては、企業との共同研究を行っています。取り組んでいるのは、高速道路のトンネル内にある照明です。現在は1・8mほどの大きさの照明器具が取り付けられていますが、路面が縞々になっているのはご存知の通りです。研究では、LEDを使って器具を小型化することで、その量を増やして縞々を解消するとともに、点灯間隔を短くすることで、省エネに取り組みながら明るく見せるという技術を開発、実用化を検討しています。中小企業の方からすれば、大学はハードルが高いかもしれませんが、その技術を活用している企業は数多くあります。何か課題があれば、大学を訪れることで、その答えが見つかるのではないでしょうか。コラム13

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