所報2月号
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 当所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。 愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大学発のホットな情報を提供します。 ぜひ、ご一読ください!産学連携で地域経済をパワーアップ!第18回第18回 愛媛大学発の福島再生プロジェクト 甚大な被害をもたらした東日本大震災。復興への歩みが進められていますが、原子力発電所事故に起因する放射性物質の除染が大きな課題となっています。このような中、愛媛大学では「福島再生プロジェクト」と銘打ち、放射性セシウムを除染する材料の研究が進められています。今回は、その材料開発のリーダーである青野先生にお話をお伺いしました。~磁化ゼオライトによる放射性セシウムの除染~│青野先生のプロフィールを 教えてください。 出身は愛媛県の今治市です。愛媛大学を卒業後、新居浜工業高等専門学校に10年間従事し、また、愛媛大学へ戻りました。専門は無機材料です。過去の研究では、学位を取得したリチウム電池などに応用する固体電解質の研究が思い出深いものです。現在は、有害ガスを検知するための化学センサの研究、がん医療に使用する磁性材料や放射性セシウム除染の研究などに取り組んでいます。 土壌改良剤として利用されている無機材料のゼオライトを使った除染の研究です。ゼオライトという物資は、セシウムが吸着しやすいのですが、土壌にまいても回収する手段がありません。そこで、磁石の原料であるマグネタイトとの複合材料をつくれば、回収できるのではないかと考え、ゼオライト粒子中にマグネタイトのナノ微粒子を含ませた新しい複合材料(磁│福島再生 プロジェクトとは… 今回の磁化ゼオライトに関しては農学部との共同研究から得られたものですが、大学内においても、異なる学部で連携することにより、相乗効果が発揮され、新しいアイデアが出てきます。現在、がんの焼灼療法への応用を目的とした、交流磁場中で発熱する材料を研究していますが、これも医学部、理学部との共同研究から得られたものです。この方│企業との連携について化ゼオライト)を完成させました。この素材は、磁石に吸着することから、水田にまいた後に磁石で回収することができます。実験の結果、約80%のセシウムの除染に成功しました。コストの問題を解消し実用化されれば、現在は表面をはぎ取るなどの方法しかない土壌の除染に、大きな効果を発揮するものと考えています。また、ゼオライト自体は、火力発電所の石炭焼却灰という廃棄物だけで生成することができます。いずれは、福島の火力発電所の近くに磁化ゼオライトのプラントをつくり、除染を進めるとともに福島の産業になればと構想を描いています。愛媛大学大学院理工学研究科 物質生命工学専攻准教授 博士(工学)青野 宏通 氏 趣味は映画観賞ぐらい…と語る青野先生。休日も返上して研究を進めているとか。そんな性格を表してか、座右の銘は「材料を制するものは技術を制する」。材料の発展が技術の発展につながるとの信念のもと、研究に携わる。50歳。法で応用が期待されているマグネタイトの3倍の発熱量が期待できる、イットリウムガーネットの実用化へ向けた取り組みを進めています。 このように、連携による相乗効果は大きなものがあり、大学内に止まらず、企業との連携が深まれば、より大きな研究成果を上げられると考えています。しかし、大学側では、企業の方がどのようなことに取り組みたいかを知る機会が不足しています。大学のハードルは高くありません。特に無機材料の研究に関することであれば、お気軽にご相談ください。コラム13

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