所報3月号
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当所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。 愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大学発のホットな情報を提供します。 ぜひ、ご一読ください!産学連携で地域経済をパワーアップ!第19回第19回 愛媛大学における高齢化社会への挑戦 高齢化社会が進む中、健康寿命の延伸を図ることが重要になっています。医療の発展はもとより、工学の分野からのアプローチも必要となっています。愛媛大学では、医工連携により疾病の早期回復や生活の質向上につながる「骨」再生プロジェクトが進められています。今回はそのリーダーを務める小林先生にお話を伺いました。~工学部発の「骨」再生プロジェクト~│小林先生のプロフィールを 教えてください。 出身は名古屋です。名古屋工業大学大学院を卒業後、縁あって愛媛大学に赴任しました。今年で17年目になることから、第二の故郷というイメージを持っています。専門は金属材料です。金属の特性は構造、いわゆる原子の並び方で決まります。電子顕微鏡などを使ってその構造を解析、合金設計・熱処理・加工処理により材料の特性を引き出すといった研究に取り組んでいます。体に入れて使う材料の8割が金属であり、その高機能化が求められているため、金属学の知識と経験を活かし生体用材料の研究に取り組んでいます。 事故や病気で失ってしまった「骨」を人工材料で置き換える研究を10年ほど前から行っています。その人工材料とは生体用のチタン合金になります。現在は、①チタンをやわらかくし骨の性質に近づけること、②拒否反応が出ないように体内へ入れた時に金属だと思わせないコーティング、③感染症を防ぐため材料に抗菌│生体用材料の研究とは どのような内容ですか。 材料から細胞へ働きかけ、骨再生を材料により自由に制御する技術を開発するプロジェクトです。骨を作る骨芽細胞を材料から制御し、良質な骨をつくることに取り組んでいます。始まったばかりのプロジェクトですが、どのような物質に細胞はくっつきやすいのか、プラズマを利用した細胞の制御など、研究の成果が表れています。近い将来、材料によって良質な骨を再生することができるよう、研究を進めて行きます。│骨再生プロジェクトとは性をもたせる、の3点が研究課題となっています。特に、②のコーティングに関しては、真珠貝を疑似体液に浸すと、骨の成分が生成されることがわかったため、愛媛県の特性を活かし、年間1千トンが廃棄されている真珠貝を活用した骨再生促進コーティングの研究も進めています。こういった研究を通して、より「骨」に近い人工材料をつくりたいと考えています。愛媛大学大学院理工学研究科 物質生命工学専攻准教授 博士(工学)小林 千悟 氏 材料も一定の意思をもって行動する・・・と語る先生。人の行動と同じく、材料は、材料全体のエネルギーを下げるように周囲の状況を考えて最適に構造変化するそうだ。その考えに通じるのか座右の銘は「臨機応変」。43歳。 分析機器の進展により、材料の研究は飛躍的に進んでいます。しかし、合金に関しては、熱処理や加工処理などで特性が変わることから、より研究の深耕が必要となります。企業の方も材料の研究を進められていると存じますが、大学との共同研究であれば、電子顕微鏡といった専門機材も活用できます。金属材料に関してお悩みのことがあればご一報ください。研究室のホームページにご意見をいただくフォームを作りたいと考えています。こんな簡単なことを聞いていいのか…という内容が重要な研究につながることが多くあります。ぜひお気軽に大学をご活用ください。│企業の方へメッセージをコラム13
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