所報5月号
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 当所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。 愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大学発のホットな情報を提供します。 ぜひ、ご一読ください!産学連携で地域経済をパワーアップ!第21回第21回 みかんを活用した産学官連携による新製品 先月号にて紹介した、温州ミカンに多く含まれるβ-クリプトキサンチン。生活習慣病の予防効果が期待される成分として注目されています。(株)えひめ飲料では、産学官連携により、その機能を検証、新製品を開発しました。今号は、同社の主任研究員である菅原邦明さんに、産学官連携の成果について、お話をお伺いしました。~βークリプトキサンチンを含む機能性飲料~│βークリプトキサンチンに ついて教えてください。 肝臓疾患や糖尿病、動脈硬化などの予防効果が期待される成分として、ここ10年間で急速に研究が進んでいます。温州ミカンに特徴的に多く含まれている成分で、果実の外果皮だけでなく、果肉にも多く含まれていることから、摂取しやすいという特徴も有しています。機能性については、(独)農研機構の果樹研究所が、ミカンの産地である静岡県の三ケ日町において、住民約千名を対象とした栄養疫学調査を行い、みかんをたくさん食べて、同成分の血中濃度が高い人は生活習慣病のリスクが低くなることを検証しています。 果樹研究所が代表機関となり、金沢大学・食品総合研究所・愛媛大学・弊社が共同機関として連携し、平成22年度から3年間、農林水産省の実用技術開発事業を実施しました。近年増加している、糖尿病やメタボリックシンドロームなどによる非アルコール性の脂肪肝や脂肪肝炎等に対して、β-クリプトキサンチンの有効性や作用メカニズムを解明するた│産学官連携による 研究については・・・めの動物試験、ヒト介入試験を行い、その結果から、科学的根拠に基づくみかんジュースを開発しました。 研究内容ですが、まず、金沢大学において、マウスを用いた動物試験を行いました。脂肪肝炎になったモデルマウスに12週間、β-クリプトキサンチンを与えると、肝臓組織での脂肪の蓄積や炎症、肝硬変につながる線維化が改善され、ほぼ正常に近い状態まで回復することがわかりました。続いて、ヒト介入試験を行うため、弊社にて、125mlあたりみかん約3個分の3mgのβ-クリプトキサンチンを含む試験飲料を開発しました。愛媛大学において、試験飲料を脂肪肝及び脂肪肝炎の方に12週間継続して飲用いただいたところ、肝機能を示す血液中の指標が改善し、その機能性が実証されました。また、カロリーを55kcal(みかん約1個分)と低く抑えることにより、脂肪肝炎の方が併発している糖尿病も悪化することはありませんでした。 民間企業だけでは、製品開発にも限界があります。特に、今回のような専門性の高い動物試験やヒト介入試験などは、大学のような専門機関がそれぞれ分担し、取り組むことにより、非常に効率的に成果を得ることが可能となるため、大学を活用するメリットは大きいと思います。今後も産学連携を進め、β-クリプトキサンチンの機能性研究とその認知率向上を図るとともに、国内果樹産業の再興と新たな機能性柑橘果汁飲料の開発に取り組んでいきます。│大学と連携する メリットについて 研究結果を受け、使用した試験飲料を製品化しました。「アシタノカラダ」の名称で、1パック120円(税別)と手ごろな価格に設定し、みかん約3個分となる3mgのβ-クリプトキサンチンを含む一方、カロリーはみかん約1個分となる55kcalに抑えました。現在は、インターネットにて販売しています。│開発された新製品は・・・開発した新製品コラム13

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