所報5月号
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副会頭関 啓三セキ株式会社 代表取締役社長 「伝統」と「革新」。長寿企業の経営の基本には変えてはいけない伝統と、時代の変化に合わせて変えねばならない革新との絶妙なバランスが存在するとされます。常に謙虚な姿勢と時代の流れに対する柔軟性を持ち、地域に密着していることが大きなポイントとなります。 商店街シャッター通りが問題となっていますが、日本には100年を超える歴史をもつ商店街があります。東京の台東区にある「かっぱ橋道具街」です。入口の目印は頭上に巨大なコック像のある洋食器店で、この道具街には食器具、調理器具、飲食店用什器備品、調理「伝統と革新」「経営推進の キーワード」 長寿企業の経営の基本は「伝統と革新のバランス」です。それがブランドという無形の資産をつくり信用の基礎をつくるのです。また、そこには幾つかの特徴的なキーワードがあります。「常にお客様のため地元のため」「常に奉仕の心、おもてなしの心」「常に変化を続ける」「常に真面目でひたむきな商品とサービスの品質の追求」です。 これらを効果的、機能的に進めていくためには、まず、何事にも問題意識を持つことです。常に好奇心や探究心を持って物事を見ることが必要です。情報は待っていても集まりません。自分で情報を集めるネットワークづくりが必要です。衣装、食品サンプル、食材など調理道具一切を扱う店、200店ほどが軒を連ねます。 かっぱ橋の名の起源は、この辺りは武家屋敷が多く下級武士が内職で雨合羽を作り、橋に掛け干していたからという説と、湿地帯であったこの辺りの土地を住民のために私財を費やし整備する合羽屋喜八を、河童たちが工事を手伝ったことから名が付いたという説があります。 食にかかわる商店街になったのは戦後で、この転換こそが現在に至る高い知名度とブランド力を誇る差別化につながっています。毎年10月に「かっぱ橋道具まつり」が開催されていますが、年々来場者は増加しています。勿論、知名度やブランド力の向上にはボンヤリ待っていては駄目で、積極的な情報発信が必要です。「かっぱ橋道具街」は全国に先駆けて平成8年にホームページを立ち上げ、歴史におごることなく差別化するための特色を磨きながら常に新しい手を打ち続けて情報発信を行っています。「問題意識をもって物事を見る。 情報が集まる仕組みをつくる。」第4回コラム7
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