所報6月号
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――プロフィールを教えてください。 当社は叔父が創業し、その後、銘木業を営んでいた父が経営を引継ぎました。私は子育ての傍ら父をサポートすることで事業に関わっていましたが、15年前に父が倒れたことをきっかけに経営を引き継ぎました。まさか自分が会社を引っ張る立場になるとは思っておらずあらゆることが試行錯誤でした。この業界は男性社会で、現在でも四国の中で女性の経営者は私を含めて二人だけです。女性ということで苦労する場面もありましたが、あらためて考え方の基本が異なる男性と女性が協力することで、良い結果につながることもわかりました。振り返れば、本当にあっという間の15年間でした。――貴社の事業展開については・・・。 酸素や窒素、アルゴンや炭酸ガスなど、多様なガスの製造・販売をしています。 以前は産業用ガスが大半を占めていましたが現在は医療用ガスの割合が増えてきています。これは、医療現場が多様に変化したことや、高齢者の在宅医療が急速に広まってきたことが原因です。 今後も医療におけるガスのアプリケーションは拡大していくと考えています。 産業用ガスについては、厳しい状況が続いていましたが、最近になって回復の兆しが見えてきました。当社は、松前町の旧工場の老朽化に伴い、4年前に東温市に新設移転しました。自社も含め愛媛県の同業者すべて海岸沿いで、医療施設が多い内陸部に医療用ガスの供給拠点がなかったので、東温市を移転先に選択しました。移転にあたっては東温市の高須賀市長さんや地域の皆様の御支援をいただき、移転後には東温市と災害時の医療用ガスなど応急物資を優先供給する協力協定を市と結びました。地域に密着した堅実なサービスを提供できる自慢の工場です。「 『信頼』というブランドの エネルギーを提供 」大和酸素工業(株) 代表取締役 一色 あをゐ 氏 ~ お客様の要望へ的確に対応することで企業の成長を ~業界では数少ない女性経営者医療用ガスのニーズが高まる中で工場を新設人このに聞く2この人に聞く
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