所報9月号
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――企業の方にメッセージを。 雇用情勢が回復する中、企業の方には、現在、労働局が取り組んでいる人材不足分野における雇用管理の改善と、正社員雇用の拡大に向けた啓発運動にご理解をいただくとともに、安心して安全に働くことができる職場づくりや、男女ともに働きやすい職場環境の整備に向けた取り組みをお願いしたいと思います。  安全に働くことができる職場づくり、つまり労働災害の防止に関しては、過去の災害やヒヤリハットといった事象から学ぶのみでなく、職場にどんな危険があるのか、どんな有害物質があるのかなど、リスク要因を発見し優先順位をつけて取り除いていくといったリスクアセスメントが有効です。中小企業において、こういった取り組みを進めるためには、やはり会社のトップ自らが、安全は何よりも優先するという意識を持ち、社内に浸透させることが不可欠です。トップの意識が労災防止につながります。また、メンタルヘルスなど、企業単独での取り組みが難しい事案については、愛媛産業保健総合支援センターなどで、専門の相談員による支援なども行っていますので、ぜひご利用ください。 労働行政は地域ごとに取り組む必要があるため、愛媛県などの自治体とも連携しながら、きめ細やかな就労支援をはじめ、各種の施策を進めて参ります。企業の方のご協力をお願いいたします。天野 敬 氏 愛知県出身 名古屋大学卒 57歳四国に住むのは初めてと話す天野局長。在任中は道後温泉や松山城などの観光地も巡ってみたいとか。労働行政に関する仕事は一人ではできないものが多いことから「チームワーク」を大切にして業務へ臨んでいる。【 略歴 】昭和58年 4月 労働省入省平成15年 4月 富山労働局労働基準部長平成17年 9月 厚生労働省労働基準局労災補償部補償課職業病認定対策室長補佐平成20年 7月 愛知労働局労働基準部長平成24年 4月 厚生労働省労働基準局労災補償部補償課職業病認定対策室長平成26年 7月 愛媛労働局長愛媛労働局 松山市若草町4-3TEL:089-935-5201 FAX:089-935-5210http://ehime-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/proleよりよい職場環境づくりのために…図ることについても取り組んでいます。 労働災害の防止に関しては、厚生労働省では、5年単位の計画を立てて労働災害の防止に取り組んでいますが、平成25年より第12次労働災害防止計画がスタートしています。愛媛労働局では、計画をもとに、平成25年から5年間で死亡災害や休業4日以上の災害を15%以上減らすことを目標に掲げています。昨年は前年比で6・3%減少し、死亡者も過去最低となるなど一定の成果を見ましたが、今年は景気が回復してきたこともあり、労働災害が増えています。このため、5月に「労働災害増加注意報」を発表し、注意喚起を行いましたが、その後も増加傾向にあることから、8月に労働災害防止の徹底を呼び掛けたところです。 また、女性の活躍推進にも力を入れています。人口減少社会を迎える中で、潜在能力をもった人々の労働市場への参加が不可欠ですが、特に、政府の成長戦略でも中核に掲げられている女性の活躍推進は重要なテーマです。男女雇用機会均等法では、性別による差別の禁止やセクハラ防止等が定められていますが、それに止まらず、女性が企業の中で幅広く活躍できるよう「ポジティブ・アクション」を推進しています。各企業に具体的な事例を、厚生労働省のポータルサイトに掲載いただき、取り組みの普及促進を図っています。また、今年度末が期限となっていた、次世代育成支援対策推進法が10年延長されたこともあり、仕事と家庭の両立ができる職場環境の整備も推進しています。この人に聞く3

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