所報9月号
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河田 正道 南海放送(株) 代表取締役会長総務委員長社会の変化と「情報」マスメディアの役割「変化 = 情報 × 時間」第8回 日常的に、社会の現状や変化を情報化し、発信することがマスメディアの主な役割である。情報化、高齢化、グローバル化など急激な社会の変化の中で、地域や企業の柔軟な対応をサポートする情報ニーズが、ますます大きくなってきている。 経営資源として、一般的には「人、もの、金」があげられるが、このほかに情報と時間も加えられている。特に、グローバルな発想とスピードが求められる最近の経営では、情報と時間の役割が大きい。 愛媛県の中村知事は「しまなみ海道でのサイクリング」をテーマに、積極的に環境の整備と情報発信を続けている。自転車でアイランドホッピング(島めぐり)ができる「しまなみ海道」の多島美を、広く世界にアピールするイベントが「しまのわ2014」である。中村知事のリーダーシップ、そして地域ぐるみの取り組みと積極的な情報発信によって、しまなみ海道の観光資源価値を一気に引き上げることができた。 フィナーレを飾る10月26日の8000人規模のサイクリング大会を契機として、さらに大きな観光資源としての飛躍を期待したい。 行政に企業感覚が求められて久しい。地域の活性化には官民一体となった取り組みが不可欠である。行政と企業が、どのように役割を分担するかということも大事であるが、変革、改革の効果を生かすためには実現への時間を、できる限り短縮することが重要である。 情報(ソフト化された内容)の価値を縦軸に、時間を横軸にして、「変化」を数値化することができる。より大きな変化とは、できるだけ短かい期間に、情報の質がより大きく向上することであり、効果的な改革の一つの条件として、改めて時間の大切さを強調しておきたい。 社会や地域、企業が発展するために、タイムリーで信頼できる、そして整理されたマスメディアからの情報が重要である。デジタル技術が急激に進化し、通信と放送の融合など情報インフラの広域化、そして情報拡散のスピード化が一段と進んだ。グローバルで、しかも多量、多様な情報によって、変化の方向や質が左右される高度な情報化社会である。 改めて、信頼できる情報の発信源として、マスメディアの役割と責任の大きさを痛感している。の会会社社変化を 捉 え るコラム6

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