所報6月号
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中小企業対策委員長 弓山 慎也(愛媛信用金庫 理事長)情報過多の時代を生きるヒト・モノ・カネをつなぐ信用金庫「信用金庫の『つなぐ力』を   活用してイノベーションを」第16回 20世紀後半にインターネットが登場して以降、私たちの生活は大きく変化し、いつでもどこでも欲しい情報を入手できるようになりました。 ICTはどんどん進化し、いまやインターネット回線の活用は情報・通信機器にとどまらず、ビッグデータ解析、ウエアラブル端末や、さまざまなモノとモノをつないで新しいサービスを生みだす、いわゆるIoTの概念にも広がっています。 世の中には、情報が氾濫しています。そのなかには間違った情報や悪意の情報も含まれています。情報過多の時代を生きる私たちは、どれが自分にとって必要な情報なのか、また、その情報は本当に正しい情報なのか、その見極めを自身で行わなければなりません。 地域における信用金庫の役割は、地域を張り巡らすインターネット回線に例えることができると思います。信用金庫が地元で構築するネットワークは、各地の信用金庫を通じて全国へつながり、信金中央金庫を通じて海外までつながっています。信用金庫は、このネットワークを活用して地域の「ヒト」「モノ」「カネ」を相互につなぎ、新たな付加価値を生み出すお手伝いをしています。インターネット回線と異なるのは、多岐に亘る情報のなかから、そのお客さまに必要な情報を集めてお届けする、という機能を有する点です。その情報には、新たな機能やサービスへとつながるものもあれば、外部要因への対策となるものや、苦渋の選択を迫られるようなものもありますが、基準はお客さまが満足できる結果を生み出す手段となり得るかどうかにあります。 地方創生に向けた行政の取組みが活発化するなか、行政と地域の中小企業や住民とをつなぐ架け橋となり、新たなイノベーションへと踏み出せるように働きかけることは、信用金庫の業務そのものであり、今こそ真価が問われる時だと感じています。お客さまのニーズは、日々変化しています。信用金庫の「つなぐ力」が、夢の実現や課題解決のツールとして多くの方々に活用していただけるよう、私たち信用金庫も挑戦し続けたいと思います。の会会社社変化を 捉 え るコラム7

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