所報8月号
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同遺跡から出土した人面形の分銅形土製品出土した土製品から 生まれたキャラクター が伝える古の歴史 表紙絵の遺跡を紹介する本コラム、今回は、福音小学校構内遺跡です。福音小学校は、小野川などの河川に囲まれた標高31メートルの微高地上にあります。平成元年度、福音小学校の開校に際し、発掘調査が行われました。調査の結果、100棟以上の竪穴住居跡など、弥生時代から古墳時代の集落跡が発掘されました。松山平野の中でも比較的大きな集落だったと推測されています。この遺跡からは土器を棺にした土器棺墓や線刻のある絵画・記号土器をはじめ、県内では数例しかない子持勾玉、弥生時代の呪いやお守りに使われていたと考えられる人面形の分銅形土製品などが出土しています。中でも、絵画土器については、全国的にも注目されているものがています。 同遺跡の出土品の一部は現在、松山市考古館において展示されています。また、表紙絵に登場している、松山市考古館のキャラクターである「ふんどう君」は、同遺跡などで出土した分銅形土製品をモチーフとして作られたものです。 来館者を笑顔で迎える「ふんどう君」は、子どもたちにも人気のキャラクターとなっています。古の歴史を身近なものとし、今に伝える役割を担っているようです。あります。竜を描いたのではないかと考えられている、弓上の弧紋に魚のヒレ状の文様が二つ組み合うデザインは70個体以上に描かれているのです。同じ文様の土器が一遺跡で多量に出土する例は他にはなく、全国的にも大変貴重な資料になっています。 また、この地域の有力者一族が納められていたと考えられる、土器棺墓が5基発掘され、うち一基の棺からは鉄鏃が出土し、赤色顔料も検出されています。松山平野では、土器棺から副葬品が発掘されるケースは珍しく、貴重な資料になっ古代からの手紙第8回「福音小学校構内遺跡」コラム22
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