所報8月号
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――プロフィールを教えてください。 出身は東京の池袋です。東京大学農学部農業工学科を卒業後、東京大学大学院農学系研究科修士課程を修了し、東京大学農学部の助手となりました。6年間従事した後、31歳の時に愛媛大学農学部助教授に赴任しました。愛媛での生活は、今年で30年目を迎えており、人生の半分を過ごしていることになります。大学時代から現在に至るまで、農業工学、特に温室環境の制御について研究しています。大学の卒業論文では、オイルショックと時期が重なったこともあり、温室栽培における省エネルギー化について実験を行いました。当時は、「植物工場」という言葉もなく、温室栽培などは施設園芸と呼ばれていましたが、いずれ成長産業になると考え、修士課程以降も研究を続けました。「地域とともに輝く 大学を目指して」愛媛大学 理事・副学長、 社会連携推進機構長 仁科 弘重 氏 ~ 産学連携・人材育成を担う地域の中核機関へ ~施設園芸と呼ばれた研究人このに聞く――ご自身の研究について教えてください。 現在研究を行っているテーマは大きく分けて2つあ太陽光利用型植物工場とグリーンアメニティります。一つ目は温室栽培などの植物工場に関する研究です。植物工場は人工光利用型植物工場と太陽光利用型植物工場の2つに分類することができます。人工光利用型植物工場は、倉庫のような密閉空間で、人工光を利用して植物栽培を行います。一方、太陽光利用型植物工場は、一般的な温室栽培を行う施設です。私の研究の対象は、後者の太陽光利用型植物工場です。人工光については、太陽光に比べて光が弱く、弱い光合成でも成長するサラダ菜やレタスなどの葉菜しか栽培することができず、また、人工光の電気代が非常に高いものになります。そこで、カロリーや栄養価などが2この人に聞く
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