所報10月号
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運営規模を拡大しJ1昇格を成し遂げる――今期はチームも好調のようですが… 好調の要因ですが、まず、選手が愛媛FCの置かれている状況を理解し、自分たちがクラブを支えて県民にアピールしていこうという自覚が生まれました。また、個人だけではなく、チームとして統一された意識を持つことができるようにもなりました。さらには、選手個人やチームのモチベーションを高め、明確なコンセプトにもとづき、具体的な指針や戦術をはっきりと打ち出した監督の指導力が選手やチームと上手くかみ合い、良い結果に結びついています。但し、今の成績は実力以上です。順位の近いチームとの勝ち点の差は迫っています。J1へプレーオフ出場を目指して、チームだけではなく地域としても未体験のゾーンにな未体験のゾーンに入った愛媛FC豊島 吉博 氏 愛媛県出身 64歳 ビジネス、スポーツともに「愚直」・「ひたむき」に物事へ取り組むことを大切にしている豊島氏。どの業界でも一人ができることは限られており、多くの人に支えてもらえなければ、目標は達成できないと考えている。この精神を愛媛FCの選手をはじめクラブ全体にも伝えているとか。【 略歴等 】昭和48年 3月 神奈川大学法学部 卒業 4月 愛媛新聞社 入社平成 6年 5月 公益財団法人 日本サッカー協会 常務理事兼事務局長平成18年 6月 Jリーグエンタープライズ・Jリーグフォト 代表取締役社長平成24年 5月 愛媛新聞社 新聞活用ディレクター平成25年 3月 愛媛県サッカー協会会長平成27年 3月 愛媛新聞社地域連携アドバイザー株式会社愛媛FC〒790-0914 愛媛県松山市三町3丁目12番14号TEL:089-970-0700http://www.ehimefc.com/proleりますので、ここからが本当の山場となります。応援をよろしくお願いします。良い方向に変わっているのではないかと感じています。――今後の課題や展開については… 「愛媛FC百年構想」では、愛媛県を代表する広告塔として、日本各地に愛媛ブランドを発信するほか、愛媛スポーツ界のリーダーとして、スポーツの普及振興などを掲げています。ホームゲームでは、試合ごとに県内20市町のマッチシティを設け、地域ごとの特産品を販売しています。アウェーでも、県産品のPRに取り組んでおり、今年の大宮戦では、みかんジュースが出る蛇口を設置し行列ができるほど好評を博しました。こうした事業は愛媛FCの特徴的な取り組みとして、今後も積極的に進めていきたいと考えています。 一方、J1昇格を目指すにあたり、課題の一つは運営規模です。収入面について、J2に所属するクラブの平均収益は約11億円ですが、愛媛FCはその半分となる約5億7千万円です。今後、運営規模をJ2クラブの平均値ほどに引き上げたいと考えています。特に、低迷している入場料収入の増加が大きな鍵となります。運営規模の拡大については、3年計画を定めており、着実な目標の達成に取り組みたいと思います。 幸い、去る9月29日、関係各位のご支援をいただき、練習場やクラブハウスなどの課題をクリアし、JリーグよりJ1クラブライセンスの交付を受けました。何としてでも、J1昇格を成し遂げ、日本を代表するトップ選手たちのプレーを〝生〞で体感できる機会を創出したいと考えています。 愛媛には野球に見られるように、地域がスポーツと協働する仕組みがあります。こうした仕組みと連動し、愛媛FCが愛媛県を全国に発信する強力なツールとなり、地域の方々に愛され、地域を盛り上げるクラブチームとなるよう努力したいと思います。この人に聞く3
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