所報4月号
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――地方創生の中で大学の役割は・・・ 今、大学を取り巻く環境は、少子高齢化や産業構造の変革、グローバル化の進展などにより、著しく変化しています。そのため、国立大学法人は、社会のニーズの変化を捉え、機能を強化していくことが求められています。愛媛大学も地域のために変化しようと取り組みを進めているところです。愛媛県は、海や山に囲まれており、森林資源と海洋資源が豊かな土地柄です。南予・東予・中予の各エリアでは、それぞれが第一次、第二次、第三次産業が主となるバラエティに富んだ地域となっています。一方、複雑に絡み合った問題を抱えているとも言えます。こうした中、地域社会とともに諸問題の解決に取り組むことは、大学のミッションとなっています。愛媛大学 社会共創学部学部長 西村 勝志 氏〜 地域の持続的な発展を 牽引できる人材を育成〜取り巻く環境が変化する中で地域の諸問題解決を――地域社会が抱えている課題とは・・・ 地方の創生が叫ばれていますが、大きな問題は人口減少です。若者の都市集中化、農山漁村の過疎化、事業後継者や文化芸能継承者の不足などにつながっています。他にも、地域産業の衰退、地域コミュニティの崩壊、グローバルな気候変動と自然災害の脅威が問題として挙げられます。こうした問題は、発生原因が複雑であり、その原因究明が難しく、また、発生原因を生み出す地域の現状が日々変化していることから、対応がなかなか困難な状況にあります。行政主体では解決が難しく、地域ステークホルダーとの協働は必要不可欠です。ステークホルダーは、行政・住民・企業・各種団体・大学等となりますが、その間で利害が対立しないように調整することも重要になります。問題の多くは、愛媛県に限られたものではなく、他のどの地域にも当てはまるものとなっています。このTop Interviewに聞く人人口減少、産業の衰退、地域コミュニティの崩壊、自然災害「地方創生の核となる 大学を目指して」この人に聞く2
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