所報5月号
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――ご経歴と松山の印象について教えてください。 出身は九州の福岡です。昭和58年に、当時の国民金融公庫に入庫し、32年に亘って、中小企業融資の現場に携ってきました。思い出深いのは、東日本大震災を経験した千葉支店での勤務です。地震が発生した5年前の3月は、千葉支店の副事業統轄を務めていました。計画停電や風評被害などにより、管内中小企業の経営環境は大幅に悪化し、支店にはご相談のお客様が殺到しました。支店では、通常業務を中断して、お客様のご相談の対応に全力で取り組みました。一時的に支店の業績は悪化しましたが、日々、お客様からの期待感が高まっていることを感じていました。その後、こうした取り組みが経済団体やマスコミなどへ好意的に伝えられたことから、例年以上の資金需要を取り込むことができました。こうした経験から、あらためて、公庫は、地域の皆様に貢献するとともに地域の皆様に支えられているということを痛感することができました。 今回、支店長を拝命した松山は(株)日本政策金融公庫内山 圏志 氏〜 企業の「新」しい 取り組みを積極的に支援〜震災が大きな転機に――中小企業の景気及び金融動向は・・・ 全国的に見ると、景気動向は、持ち直しの動きが見られていましたが、現在、おどり場にあると考えています。当公庫の指標を見ると、直近の3年間の新規開業に関しては、全国的に増加傾向にあります。「儲かる」という意識を持てなければ、開業にはつながらないことから、景気が上向きに推移しているのは確かです。一方、地方と首都圏の景気格差は大きいものがあると思って12ヶ所目の勤務地ですが、四国へは初めての赴任となります。松山は、賑やかできれいな街という印象を受けました。また、空港から市内中心部へのアクセスが良好で、東京からの時間距離を考えると、非常に有利な都市だと感じています。また、道後温泉や松山城、坊っちゃん列車がランドマークとなっているほか、優れた観光資源が多数あり、文学の街というイメージも定着しています。今後は、インバウンドを含め、こうした情報をいかに発信するかが重要だと思います。このTop Interviewに聞く人首都圏と地方の景気格差が問題「地域に貢献し地域に支えられる公庫を目指して」松山支店長 兼国民生活事業統轄 松山支店長 兼国民生活事業統轄 この人に聞く2
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