所報6月号
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〜今、 我々は何をなすべきか愛媛・松山の 未来を見据えて設業界は、少し前まで建設需要を支えた東京オリンピックの影響で首都圏では建設バブルと呼ばれるほどの建設ラッシュがあり、愛媛県内においても大手ゼネコンの参入も少なくまずまずの好況を維持しておりましたが、従来から問題になっている建設業従事者の減少による人件費の高騰は依然として続く中、長期にわたる新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い、従来通りの建設資材の輸入が難しく、原材料費及び輸送費などの高騰により断続的な値上がりを見せている状況です。特に、木材の価格高騰は「ウッドショック」と呼ばれ、国内は木材の供給が需要に追いつかない状況にも陥りました。新型コロナウイルス対策で工場が閉鎖となったこともあり、部品不足による給湯器やトイレなどの納期遅延も問題となり、昨年度は、工事を受注するよりも、完成させる方が難しいという側面もありました。 更に現在では過度の円安やウクライナ情勢等の影響に伴い建設資材の価格は前年の2倍近い水準まで高騰しており、大幅な建設コストの上昇というリスク要因を抱えています。 また、2024年4月からは、建設業界にも時間外労働の月45時間かつ年360時間を上限とした規制が設けられます。建設業界は長時間労働が常態化しており、離職率の高さと求職者の少なさを招いています。 こうした中で、労働人口の減少を解消するためのロボットなどの機械による省人化が進んでおり、国土交通省が進める「i‐Construction」は、建設業の生産性向上を目的にICT技術を活用する取り組みです。土木・コンクリート工・施工時期の平準化という3つの柱を掲げ、従来の工事量を少ない人数と日程で実施することを目指しています。 近年、災害時の応急復旧活動やその後の復興支援など、建設業界に対する期待は一層大きくなっており、その役割を将来にわたって継続的に果たすためにも慢性的な人材不足の解消や、働き方改革への対応に努めなければなりません。 今後は、建設工事現場における新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を含めた安全衛生管理の徹底を継続し、人材の確保をしっかりと行い、近い将来は人手不足解消に向けた省人化にも取り組んでいく必要があると考えています。松山商工会議所建設業部会 副部会長(株)有光組コラム10有光 智幸「withコロナ時代における建設業界」第27回建

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