所報6月号
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 島根大学農学部林学科にて石油に代わるエネルギーのひとつとして、松の根から採れる樹脂や松の葉から採れる精油を、「香りが良い上に、県産のもので燃料へと変える研究に携わっていました。その後、九州大学大学院農学研究科林産学科にて、新聞紙などの紙の色戻りの原因や過程を研究しました。現在は、愛媛大学農学部に勤務し、樹木の精油や、樹木抽出成分に含まれる生理活性物質の有効利用、キノコの酵素を用いた環境浄化に関する研究などを行っています。 「思季美」の開発には、6年もの月日がかかりました。きっかけは2016年に、愛媛大学のアカデミックアドバイザーで井内区人・空・棚田を生かす会副会長の鶴見先生から、お供え用のシキミの形を整える際に廃棄される多くの葉を、どうにか活用できないかと相談を受けたことです。当初は、シキミの精油を抽出してアロマオイルを開発する案もありましたが、シキミはもともとお墓にお供えするものなので、葬儀やお墓参りなどで活用できないかと考え、線香にたどり着きました。そして、村田葬儀社に提案したところ、故人をお送りできるのであれば」と協力していただけることになりました。一般向けに使用感のアンケート等も実施しましたが、開発の過程で壁となったのは、シキミに含まれているアニサチンという有毒物質を線香として使用するときの安全性の証明でした。専門の分析機関に依頼し、1年ほどかかりましたが、安全性を確認することができました。ほかにも、シキミの匂いは動物除けになる可能性もあるため、獣害対策としての活用も研究中です。 この線香は成型作業を除き、井内区の方々による手作業で製造されています。井内区はもともとシキミの生産が活発な地域ですが、「思季美」の開発をきっかけに、さらに地域が活気づけばと考えています。また、「思季美」は、香りのお供え物として故人に手向けるだけでなく、お香としてもリラックス効果の高い成分が含まれています。リラックスしたい場面での使用や、心落ち着く空間づくりに活用できることを多くの方に知っていただければと思います。5月中旬のお披露目会を終えた段階では、発売時期や価格、販売方法等は未定ですが、松山の観光・宿泊業、エステティック業の方々に、活用をご検討いただきたいと考えています。│プロフィールを 教えてください…。│活動内容について…。│今後の展開について…。 当会議所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大発のホットな情報を提供します。ぜひ、ご一読ください!~線香「思季美」の開発とこれから~東温市の井内区の特産であるシキミの廃棄部分を活用した線香「思季美」が開発されました。今回は、開発に携わった農学部の伊藤氏にお話を伺いました。愛媛大学 農学部生物環境学科 森林資源学コース教授自身の名前にもある「和」を大事にしながら、商品開発や研究に取り組む。趣味は家庭菜園。野菜や柑橘、シキミなど香りのある植物を育てており、今後の研究材料にもしていく。コラム18企業Enterprise愛媛大学 University伊藤 和貴氏廃棄される資源を活用した六次産業化第当会議所Chamber of Commerce産学連携で地域経済をパワーアップ!106回

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