本日、松山商工会議所創立140周年記念式典を開催いたしましたところ、新型コロナウイルス感染症で社会経済活動に様々な影響がある中、このように多くの皆さまにご出席いただき、深く感謝を申しあげます。また、来賓の皆さま方におかれましては、ご多用の中にもかかわらずご臨席を賜り、誠にありがとうございます。そして、本日、受賞の栄に浴される皆さまに対しまして、心よりお祝いを申しあげます。当会議所は、1882年5月3日に小林信近翁を初代会頭として設立され、本年で140年を迎えました。長きにわたり、「企業を育て 地域を伸ばす」を基本理念に掲げ、地域の総合経済団体として、多様な活動を行って参りました。この間、数多の困難を乗り越え、事業の糸がつながれて参りましたが、改めて、今日の繁栄の礎となった、商工会議所の先人に、感謝と敬意を表したいと存じます。さて、我々を取り巻く環境は、人口減少・少子高齢化など大きな社会構造問題や地球温暖化など社会課題が山積しており、また、令和元年11月の私の当会議所会頭就任以降におきましてもコロナ禍という未曽有の事態が発生し、社会経済が大きく変貌しているほか、ロシアのウクライナ侵攻が国際秩序の根幹を揺るがすなど、国内外ともに、これまでになく先行き不透明かつ困難な状況に直面しています。来』を見据え『今』を築く」をスローガンに、持続可能で活力ある企業や地域づくりに資する事業を展開しております。足元では、コロナ禍の影響を受けた企業の皆さんを重点的に支援し、昨年度は延べ5千件にのぼる資金繰りや新事業展開などの経営相談に対応して参りました。今後もポスト・コロナを見据え、地域企業の事業構造再構築策やデジタル技術の活用など、イノベーションにつながる支援を行政とも連携しながら積極的に展開したいと考えております。また、コロナ禍で大きな影響を受けた観光産業の再生も急務であります。いよいよ6月1日より3日間、全国商工会議所観光振興大会を開催いたしこうした中、当会議所は「『未ます。全国の商工会議所の関係者が一堂に会し観光振興について学びを深め、その成果を、愛媛、松山から全国に発信するとともに、地域の観光産業再生の起爆剤としつつ、今後、息の長い取り組みにしてまいりたいと考えております。一方、持続可能な地域づくりについては、中長期的な視点から、SDGsや、カーボンニュートラルの実現を目指すことが重要であります。私たち企業はSDGsへの取り組みが使命であり、かつ、それによる社会課題の解決がビジネスチャンスとして自社の存在価値を高めるものと認識し、それぞれの企業の経営にしっかりと実装していく必要があります。先ほど申しあげました「ロシアのウクライナ侵攻」は、世界の安定に大きな懸念と、グローバル経済が分断されるのではないかという懸念を生じさせており、また、この間の原油などの化石燃料の需給や価格の変動はカーボンニュートラルの先行きが一筋縄ではいかないことを感じさせるものであります。しかしながら、SDGsやカーボンニュートラルの実現は、次の時代を切り拓くため、必ず解決しなければならない課題であります。郷土の詩人、坂村真民先生の「あとからくる者のために」という詩に、「苦労をし、我慢をし、みなそれぞれの力を傾けるのだ。あとから続いてくる、あの可愛い者たちのために、みなそれぞれ自分にできるなにかをしてゆくのだ」とありますが、まさに私たちが拠って立つべき、SDGsの考え方ではないでしょうか。本日、140周年の節目に、次の時代に向けて何ができるかを考え、実践していくことに、想いを新たにするとともに、30年後、さらには、50年後100年後も企業や地域に必要とされる商工会議所を目指した取り組みを、全力で進めて参りたいと考えております。 5特集式辞を述べる大塚会頭創立140周年記念式典 大塚会頭式辞
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