所報3月号
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 様々な場面で応用できる機械工学に魅力を感じ、関西大学にて、機械工学を専攻しました。配属された研究室では、計測工学の一環として、モアレ縞を用いて物体の表面の形状を推測する研究などを行っていました。その後、東北大学の大学院にて、画像処理を用いて非接触で3次元的に物体の形状を再構成する研究に携わったほか、人間の動きの特性を解析する研究を行いました。その応用として、ロボットの動きに人間特有のなめらかさや感情を込めた動きを加えることで、人間がロボットに対して共感する動きを生み出すといった、人間と共存・協調するロボットの研究を行っています。 現在、人間と共存・協調するロボットの研究に加え、適応制御やディープニューラルネットワーク、進化論的最適化手法等,AI機能を有する制御手法についての研究を行っています。こういった制御手法は、飛行機の高度に合わせた操縦の調整や、化学プラントの液量、流量、圧力などを一定の値に保つこと、エアコンの自動温度調整、車の自動ブレーキ機能など、様々な場面で使用されています。これらの研究を活かして、企業の方と電動カートをより安全に乗れるようなアクセルレバーの共同開発や、地域との連携による学校に通えない子どもが分身ロボットを通して実際に学校にいるようなシステムを開発しています。人の身近にある機械というものはロボットにしても制御機械にしても、人に優しく、人に柔らかいものであることが大切だと考えており、私たちが意識せずに使っている道具と同じ感覚で使用できるロボットや機械などの制作に取り組んでいます。 人々の生活をより快適にするロボットや機械の開発を進めます。例えば、アクセルレバーを共同開発した企業の方とは、今後、電動カートの高機能化を進める予定です。他にも県内の果物農家の方やロボットシステムを開発する企業と連携して、果物を自動的に収穫するロボットシステムなどの開発を考えています。ロボットや制御工学は様々な場面で応用できますので、チャンスがあれば、企業の方々と協働で研究開発を行いたいと考えています。│プロフィールを 教えてください。│活動内容について…。│今後の展開について…。企業Enterprise愛媛大学 University兵庫県出身。学生時代から様々なスポーツを経験しており、特にボウリングの腕前には自信あり。現在も隙間時間に筋トレを行っている。学生と釣りに行くこともあり、数々の大物を釣り上げた実績がある。年齢にかかわらず、常にフレッシュな気持ちで物事に取り組むことをモットーとしている。高度な専門知識と実践的技術を身につけた人材の育成を目指している愛媛大学工学部。今回は、理工学研究科機械工学コースにて制御工学や知能機械などの研究を行っている柴田氏にお話を伺いました。愛媛大学 工学部理工学研究科機械工学コース 当会議所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大発のホットな情報を提供します。ぜひ、ご一読ください!コラム14当会議所Chamber of Commerce 柴田 論氏人に優しいモノづくり~知能機械と制御工学で未来を創る~第産学連携で地域経済をパワーアップ!114回

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