所報4月号
13/24

│プロフィールを 教えてください…。│社会連携推進機構 の活動について…。第115回産学連携で地域経済をパワーアップ! 高校生までは関西で過ごしました。学習院大学法学部で学び、その後、佛教大学大学院で、漁村社会学の第一人者であった山岡栄市氏の指導を受けました。専門は水産社会学です。水産業や漁村を対象に、社会学や民俗学、経済学など学際的に社会科学研究を進めています。特に、カツオ産業文化研究は私のライフワークです。カツオ産業の歴史的・地域的展開、カツオにまつわる生活文化について、多面的な視点でそれらの本質に迫るとともに、総合的な水産版食育「ぎょしょく教育」の視点から、水産振興や漁村活性化に関わる諸課題解決につながる研究と教育、地域実践に取り組んでいます。 地域の中核機能を担う本学にとって、地場産業の振興と地域の活性化は極めて重要な課題だと受け止めています。私どもの機構は、その地域と大学をつなぐインターフェース(窓口)の役割を担う存在です。総合大学の強みを活かして、産学連携、地域連携、地域文化に関する取り組みを推進しています。とりわけ、私は機構長の就任以来、そうした社会連携活動の「実質化」を重視しています。 産学連携の「実質化」に向けた主な取り組みは2つです。第1に、研究協力会の活動です。この組織の目的は、本機構の事業を支援し、産学官民金による連携協力で、産業振興や地域経済活性化を図ることにあります。現在、70あまりの企業などに加入いただいており、共同研究協力の推進、技術開発指導の支援、新技術研修の実施などを通して、本学のシーズを産業界へ、社会のニーズを本学へ導引しています。第2に、大学発ベンチャー起業の支援です。JST(科学技術振興機構)の大学発新産業創出プログラム(基幹大学は広島大学)の採択により、本学教員の起業をサポートしています。また、本機構の外付けで設立した一般社団法人えひめベンチャー支援機構では、愛媛学生起業塾やアントレプレナーシップ教育など学生の起業にむけた支援も行っています。 地域連携に関する「実質化」の取組には、地場産業に特化した南予水産研究センターや紙産業イノベーションセンターの活動があり、ご存じの方も多いと思います。愛媛県内の南予、中予、東予の3地域に地域協働センターを設置し、地域の諸課題解決に向けて伴走型の活動を行っています。本学はリカレント教育にも力を入れており、地域専門人材育成・リカレント教育支援センターを設置して、各分野の専門的な知識をもとに地域の課題解決を果たす人材の育成を図っています。また、地域文化でも、四国遍路や俳句・書文化など地域に密着した研究と情報発信を進めています。企業 Enterprise当会議所 Chamber of Commerce愛媛大学 Unversityi11愛媛大学 社会連携推進機構機構長(理事・副学長)コラム乗り鉄&押し鉄&呑み鉄を自称する鉄道好き。鉄道と地域活性化に関心を寄せ、予土線の動向が気になるようで、地域ぐるみの多角的な取組が不可欠だと力説する。また、県内外の食育実践をまとめた編著書『食育共創論 ―地域密着と世代重視の実践から食の未来を拓く』が、第38回愛媛出版文化賞(愛媛新聞社主催)奨励賞を受賞。食育こそ、地域の共創を考える重要な課題だと主張する。 当会議所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大発のホットな情報を提供します。ぜひ、ご一読ください!愛媛大学の研究と教育を社会とつないで還元し、地域の持続的な発展に貢献することを目的に設立された社会連携推進機構。今回は、2021年4月より機構長を務める若林理事・副学長にお話を伺いました。今号と次号の2回シリーズでお届けします。若林 良和氏企業、地域と連携して更なる発展を!(1)~愛媛大学社会連携推進機構における現在の活動状況について~

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る