石川県で育ち、石川工業高等専門学校から豊橋技術大学へ編入しました。幼少の頃、宇宙戦艦ヤマトが好きで、アニメの中に出てくる波動砲を実現したいと思ったのがプラズマ研究に携わるきっかけでした。大学に編入後、最初は超音波の研究から始めました。研究を行う中で、超音波で発生した泡から光が発生することから、気泡の中がプラズマ化しているのではないかと考え、プラズマについての研究に移行していきました。豊橋技術大学から愛媛大学に移ってからは、プラズマとエネルギーについての研究を行っています。このほか、えひめ学生起業塾という、学生が起業をするための活動や支援を行う団体の運営にも携わっています。現在も、プラズマの研究を行っています。2002年には液体の中でプラズマを発生させることに成功しました。これまでは、気体の中で発生させることがスタンダードでしたが、液中で発生させ、高い温度の反応場を安全に維持できることに成功したというのは大きな成果でした。2003年、液中プラズマを利用して廃棄物から水素を取り出す実験に成功し、現在は、その技術を用いて燃料合成や再生可能エネルギーを蓄える電池の研究を行っています。この技術を使用すれば、1985年公開の映画バック・トゥ・ザ・フューチャーに登場する廃棄物で動く車型タイムマシン「デロリアン」が実現できるのではと考えました。デロリアンのゴミ投入口には「FUSION」の表記があることから、この車は廃棄物から水素を取り出し核融合を起こしエネルギーを発生させています。廃棄物から水素を取り出すことには既に成功していたため、次の段階として核融合を起こすための研究に取り掛かりました。研究を進める中で、泡の中で核融合を起こすことができるという論文が発表されていて、この研究を行うためにアメリカに留学しました。留学中に、当時の技術では実現が難しく、核融合の実験は断念しましたが、2011年には廃棄物から取り出した水素で水素自動車を走らせる実験を行い、実際に車を走らせることに成功しました。廃棄物からのエネルギー回収技術は、持続可能なエネルギー社会の基本的な考え方の一つであり、社会実装できるように研究開発を進めていきたいと考えています。産学連携で地域経済をパワーアップ!│プロフィールを 教えてください。│ご自身の研究について。◆次号へつづく…。第119回企業 Enterprise当会議所 Chamber of Commerce愛媛大学 Unversityi愛媛大学 学長特別補佐、社会連携推進機構 副機構長コラム12カーボンニュートラル推進室長産学連携推進センター長 当会議所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大発のホットな情報を提供します。ぜひ、ご一読ください!企業が取り組むべき課題として取り上げられるカーボンニュートラル。今回はプラズマ研究から再生可能エネルギーの研究開発に取り組んでいる、カーボンニュートラル推進室長の野村先生にお話を伺いました。野村 信福氏高専生時代は勉強に勤しむとともに、剣道では全国大会団体3位の成績を残す。座右の銘は、「文武両道」で、勉強と運動、どちらもできれば人生の幅が広がり、楽しくなり、新しい発想が生まれてくるとか。研究の最終目標は、宇宙戦艦ヤマトの「波動砲」、映画バック・トゥ・ザ・フューチャーの「デロリアン(タイムマシン)」を完成させること。持続可能なエネルギー社会を目指して~プラズマ研究でカーボンネガティブを目指す~
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