昨年9月、2060年の愛媛県の推計人口が78万人になり、2020年(133万人)から約4割減少するとの発表がありました。生産・消費の両面で社会経済活動のベースとなる人口の減少は、地域経済に大きな影響を及ぼします。愛媛県では、「女性活躍」と「仕事と家庭の両立」による企業の魅力向上に取り組む「ひめボス宣言事業所」に奨励金を交付するなど、最重点施策として人口減少対策を推進しています。松山商工会議所では、本年2月、人口減少やデジタル化など30年後の地域の姿を見据えた4つのトレンドに対応する中期行動計画を策定し、企業の経営革新、人材の確保・育成、持続可能なまちづくりの推進などを重点事業に位置付け、特に、今年度は、人材確保対策として、デジタルを活用した採用ツールの提供や、首都圏からの移住者のマッチング強化等に力を入れるとともに、新たに、首都圏の人材派遣会社と提携し、外国人材の活用支援などを推進しています。こうした取り組みに加え、若者が松山に住んで働きたいと思うような「まち」「地域」づくりも重要です。県のアンケート調査でも、若者が楽しめる施設や余暇など「まち」の魅力が、就職場所を選ぶ際の大きな理由となっています。松山市中心部では、JR松山駅周辺や市駅前広場の整備、行政や企業の庁舎建替え等の再開発が進んでおり、まちが大きく変わろうとしています。松山市は、8月に都市再生緊急整備地域準備協議会を設置し、官民連携で、国の支援制度を活用した都市再生に取り組んでいます。商工会議所でも、行政やまちづくり松山等と連携して、30年後を見据えた松山のまちづくりビジョンづくりや、野球拳おどりのブランド化による交流人口拡大など、まちの魅力向上に積極的に取り組んで参りたいと考えています。2〜4ページのスマコレランドは、当会議所初代会頭、小林信近翁の没後百年の2018年にスタートし、6年目となる今年度は、小林信近翁ゆかりの企業やプロスポーツ団体、当会議所青年部の皆さんなど、多くの方々のご協力を得て開催しました。前日のスマコレナイトでは、松山城の夜景を見ながらの音楽ライブを堪能しました。翌日は、子供たちが、参加企業のブースで、銀行員の仕事や鉄道事業を体験したり、AR映像技術でのモンスターファイトを楽しむなど、元気いっぱい遊んでいました。晴天の堀の内の楽しい思い出とともに、地域の企業やまちの魅力を記憶の片隅に残してもらい、将来、愛媛での職業選択につながればと思うとともに、堀之内公園の地域活性化イベント会場としてのポテンシャルを、改めて認識した2日間でした。5コラム松山商工会議所専務理事チェンジリレーコラム福井 琴樹第6回「人口減少時代への対応」大変革の時代に チャンスを掴む
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