所報1月号
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 鍛冶屋として創業した林鐵工所。当時は手作業で鍬などの農機具の製作を行っていた。戦後は、住宅の鉄格子や看板・アーケードの庇など鉄製品全般を手掛けるようになった。昭和40年頃、鉄骨を利用した建築物が増えたことから、建築関係の製品に特化。現会長で4代目の井上敏弘氏は、工場や事務所を建て替え、商圏を関西圏まで広げ、業容を拡大した。 現代表を務めるのは、敏弘氏の甥にあたる上田政志氏。土木現場の監督業に従事していたが、敏弘氏に声をかけられ、後継者として同社へ転職。政志氏は、仕事の始まりにメリハリが大事だと考えて、朝礼台を設置し朝礼を導入。毎朝、従業員が交代で朝礼台に立ち、1日の作業内容や安全の確認を行う。令和2年に社長へ就任した後は、HPを作成し、同社の事業内容やブログ記事を掲載している。また、工場に最新の溶接ロボットを導入するほか、従業員が休暇を取りやすいよう社内制度の改正を進めるなど、環境改善に力を入れている。現在は、製品ヤードを整備中で、工場の増設を計画しており、製作の効率を重視した工場づくりを目指す。 今後、より人手不足が深刻化する中で、採用活動に尽力する一方、従業員が長く働くことができるよう、環境整備に努めている。 モノづくりの現場に欠かすことのできない「人」。これからも「人」を大切に堅実な経営を続けることで、社会のモノづくりに貢献していく。 創業当時は大阪にて薬局を営んでいたという池田質舗。質業は空襲で松山に疎開してきた際に始めた。当時は、倉庫が商品で溢れることや、大晦日には質に入れていた着物を買い戻すための行列が絶えないこともあった。 現在代表を務めているのは3代目にあたる池田正一氏。2代目の父は正一氏が学生の頃に他界し、大学を卒業後、家業を継ぐための修行として、同業界に就職。その後、25歳という若さで家業を継いだ。若い人でも入りやすいように店舗の改装を行い、HPからの問い合わせも可能とするなど、誰もが利用しやすい店づくりに努めた。   以前は質預かりの依頼が多かったが、現在は買取の依頼が多く、ブランド品の鞄、時計、電化製品などが持ち込まれる。平成以降はコピー品が多く出回るようになり、製作技術も高くなっているため、慎重な鑑定が求められる。これまではルーペのみでの鑑定も可能だったが、現在は機械を導入している。 新製品と一緒に、新たなコピー品も出てくるため、お客様からの依頼品や、同業者間で得られる情報を基に勉強の日々だとか。また、少人数で経営を行っていることから、鑑定技術を高めることに努めて、できるだけ高い値段でお客様に還元している。 時代の流れにあわせて変化してきた質業。これからもお客様の信用を守りながら、次代へ事業をつなげていく。会員トピックス26昭和8年創業確かな技術力で、様々な製品づくりに柔軟に対応し、新しいことにチャレンジし続けます。昭和27年創業地元の老舗として、今後も地域の皆さまに愛される店づくりを心がけていきます。事業所概要代表者:所在地:TEL:上田 政志松山市南高井町2012089-963-0684人を大切にする経営を次代につなぐ事業所概要代表者:所在地:TEL:池田 正一松山市立花2-8-5089-921-4489時代にあわせて変わる地域の質店当会議所会員創業記念表彰を受賞された会員のみなさんをご紹介します。創業創業メッセージ蓄積してきたメッセージ昭和60年当時の店舗の様子(有)池田質舗(株)林鐵工所90周年70周年

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