所報2月号
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食品健康機能研究センターの前身となる農学研究科附属食品健康科学研究センターでは、食品の機能性解明研究の成果を基にした産学連携による機能性食品の開発や社会実装を通して、ヒトの健康増進と地域産業の振興をミッションに活動してきました。この活動をより広く展開できるように、食品健康機能研究センターが全学組織として設立されました。当センターでは、これまで同様、地域企業の方々との連携の中で、食品の機能性解明研究を製品化につなげていくことはもちろん、栄養疫学研究による食と健康の関連性を明確化し、その効果を実験的に実証していくといった研究なども今後は進めていきます。また、主軸となる活動の一つとして、国外との連携も進めています。現在、インドネシアの大学や研究機関と学術協定を結び、香辛料の健康機能について研究を行っています。香辛料については健康機能に関する科学的なエビデンスが不足しているため、機能性解明研究を進めると同時に、香辛料やハーブを使用した製品の開発につなげていく予定です。また、インドネシアの大学に加え国内の香辛料メーカーの協力もあり、共通のエビデンスを確立したうえで、両国で製品展開することを目標に取り組んでいます。国際展開を視野に入れた取り組みに力を入れていくほか、県内の地域企業との産学連携はこれまで以上に力を入れていきます。食品に関する企業が有している素材には健康機能を持つ様々な成分を含んでいることが期待されるため、機能性食品の開発を考えている企業と一緒に研究・開発を行いたいと考えています。加えて、農学部が行っている「愛媛フードキャンプ」とも連携します。この活動は、学生をインターンシップ生として食に関わる企業へ派遣し、製品開発だけでなく、マーケティングに関する事業などに、学生が企業とともに取組む活動です。製品開発の面においては、コンテストで受賞したこともあります。今後もこうした活動を基に、地元企業と食産業の全体的な底上げに取り組みます。産学連携で地域経済をパワーアップ!│食品健康機能研究 センターについて…。│今後の展開について…。第124回企業 Enterprise当会議所 Chamber of Commerce愛媛大学 Unversityi 当会議所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大発のホットな情報を提供します。ぜひ、ご一読ください!昨年7月に設立された愛媛大学食品健康機能研究センター長を務める菅原氏。今号では、センターの活動や、今後の展開について伺いました。愛媛大学 大学院農学研究科 教授コラム12菅原 卓也(すがはら たくや)教授地域や企業との結びつきの中で、研究成果が形・製品となり、世の中に広まることを通して、地域に対して社会貢献をしていくことに意義を感じ、健康食品を研究している。学生に対しては、「キャリアや未来がさらに広がっていくよう、自分の能力の限界を超えていく努力をしてほしい」との思いをもとに、エンカレッジに努めている。機能性食品の研究・開発による食品産業の活性化~愛媛大学食品健康機能研究センターの取組みについて~

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