所報2月号
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元日に発生した能登半島地震は、石川県を中心に大きな被害をもたらし、いまだ多くの方が避難生活を余儀なくされています。国や自治体、各種機関、インフラ事業者などが被災地の復旧・復興に全力を挙げていますが、その道のりは長いものになるでしょう。現在、私たち通信事業者も、寸断された光ケーブルや携帯基地局などの通信網の復旧を急ぐとともに、発災直後から避難所や現地で活動する自衛隊などへの通信手段の提供を行ってきていますが、新聞などによると、今回の震災では低軌道衛星を利用した高速インターネットサービス「スターリンク」も初めて活用されたということです。日本には一昨年に導入されたばかりですが、数万機の人工衛星の打ち上げを計画しているということで話題になりましたので、ご存知の方も多いと思います。避難所では災害時用の特設公衆電話なども設置されますが、今では多くの方がスマホを使ってコミュニケーションし、情報の発信や収集を行うことに慣れていますので、ネット接続可能なこのサービスは被災者の方々に大きな安心感を与えたのではないでしょうか。災害に対するデジタル技術などのテクノロジーの活用に関しては、例えばAIによる台風の被害予測や、監視カメラや各種センサー、SNSなどからのデータ収集とマッピングによる被災状況のタイムリーな把握・共有といったことは既に行われていますし、デジタルツイン(収集した膨大なデータを用いてコンピューター上のバーチャル空間に現実世界を再現すること)を使ったより精緻な未来予測に向けた取り組みなども進められています。そして、こういったテクノロジーは災害時に役立つのはもちろんのこと、平時においても離島や山間地における通信環境の高度化や、さまざまなシミュレーションを通じた都市機能の強化、街の賑わいの向上といった形で、私たちのまちづくりを支える力にもなります。ここ松山においても、関係者が力を合わせて、こういった新しいテクノロジーも上手に使いながら、強靭で活気にあふれた持続可能な「まつやま」実現にチャレンジしていければと思います。チェンジ松山商工会議所デジタル化推進委員長コラム4リレーコラム立石 篤志第9回「まちづくりとテクノロジー」大変革の時代に   チャンスを掴む

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