所報3月号
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産学連携で地域経済をパワーアップ! │プロフィールを教えてください。│現在の活動内容について…。│今後の展開について…。第125回企業 Enterprise当会議所 Chamber of Commerce愛媛大学 Unversity出身は福岡県です。大学時代は、九州大学農学部農学科にて、植物の成長に関する栽培環境の最適化について研究を行っていました。食料生産においては、生産性を高めることや品質の良いものを作ることなど、様々な課題があります。これに対して、科学の分野ではGene(遺伝子)×Environment(環境)の相互作用によってアプローチできると考えられており、品種改良だけでなく生育環境を調べることも必要だと感じたのが、研究を行うきっかけとなりました。当時はトマトを対象とし、成長過程のモニタリングを通して、栽培環境の最適化に取り組んでいました。2009年に愛媛大学へ就任し、地域農産物であるハダカムギの研究へと従事することになりました。現在、ハダカムギの成長に関する栽培環境について研究を行っており、収穫量の安定化や、品質の向上を図っています。加えて、センター長を務めているハダカムギ開発研究センターでは主に3つの部門に分かれて活動を行っています。1つ目の資源開発部門はハダカムギの品種改良に取り組むことでセンター独自の資源開発、2つ目の生産性解析部門は、作った品種のゲノム解析や品質評価などを行い、農家の方へ生産・栽培を提案、3つ目の機能性解析部門は、ハダカムギの特性である豊富な食物繊維を含むことを活かした商品開発に地元企業の方と協働して取り組んでいます。昨年より、えひめ産業振興財団からの補助を受けてハダカムギの普及に努めています。県内には米麦で二毛作を行っている方が多く、土地利用の一つとして有効である一方、麦は非常に繊細な作物なので、育てやすい品種の開発や、適正な生育環境を保持することが必要です。そのため、今後はハダカムギの安定収量を目指して品種改良・生育環境の研究を進めていきます。また、愛媛の特産品として県内の方々に知っていただけるよう普及活動にも努めていきます。今後は、ハダカムギを使用した商品開発に留まらず、育成から普及活動においても地元企業の方々と協働して取り組んでいきます。i 当会議所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大発のホットな情報を提供します。ぜひ、ご一読ください!愛媛県の特産品であるハダカムギ。今回は、愛媛大学農学部のハダカムギ開発研究センターにてセンター長を務め、ハダカムギの生育についての研究や、商品開発などにも携わる荒木氏にお話を伺いました。11ハダカムギ開発研究センター センター長コラム愛媛大学 大学院農学研究科 教授ハダカムギで地域の活性化を~地域農産物の研究を通して愛媛の活性化に取組む~荒木 卓哉(あらき たくや)教授座右の銘は「一所懸命」。大学時代には野球サークルに所属していた。趣味はスポーツ観戦。学生に対し、社会に出た時のために、研究や私生活で問題にぶつかった際には、逃げずに解決していく能力を身に付けてほしいと願う。

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