所報3月号
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去る二月十一日に開催された愛媛マラソンはコロナ後初のフル規格で実施され一〇一四〇人が出走しいよぎん地域経済センターの算出では四億三千九百万円、主催者事業費の二・三倍の経済効果があったとのことです。「交流人口」が生み出す経済効果が極めて高いものであることを改めて実感したところです。私が委員長を拝命している「えひめ・松山アピール」推進委員会は松山の観光振興に関する研究・施策の提言を担っております。観光振興の重要なKPIが「交流人口の拡大」です。このコラムをお借りして「交流人口の拡大」を目指す時に私が地域の方々と共有すべきと考えている課題を述べたいと思います。愛媛マラソンの運営は主催者スタッフだけではなく五三〇〇人のボランティア、四〇〇人の救護スタッフの他、たくさんの方々によって支えられたそうです。さらには途切れることのない沿道からの声援、お接待が合いまって愛媛マラソンは全国のランナーから高く評価されています。これは素晴らしいことですが、もし愛媛マラソンが毎日開催されたらどうでしょうか。その負荷に松山市民は耐えられるでしょうか。コロナ前の二〇一九年の京都市の年間の観光入込客は五千三百二十五万人、一日平均約十五万人、同じ年の松山市の観光入込客は六百十五万人、一日平均約一・六万人ですので約九倍です。京都市の面積は松山の約二倍ですのでそれを考えてもイメージとしては毎日、愛媛マラソンと椿さんを開催している感じです。現在、京都の観光客はコロナ禍前を超えてきておりオーバーツーリズムを起こしていることは報道でご存じのとおりです。観光客を増やすためには観光資源の磨き上げ・PRとともに受け入れのためのインフラ整備(宿泊・交通・飲食施設等)が重要です。道後温泉地区はオーバーツーリズムについてすでに苦い経験を三回しています。瀬戸大橋以後本四架橋が開通するたびに、お客様を溢れさせてしまい評判を落としてその後集客に苦労することを繰り返してしまいました。その経験から集客と受け入れ体制の整備を両輪で進めることの重要性を認識しています。松山の観光振興を今後全市的に進めなければならないということは果実の分配という以前に交流人口受け入れのための物理的な要請です。ぜひ会員の皆様のお力を貸していただきたいと切に考えております。5コラム松山商工会議所えひめ・松山アピール推進委員長チェンジリレーコラム奥村 敏仁第10回「交流人口が増えるということ」大変革の時代に   チャンスを掴む

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