所報9月号
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第131回愛媛大学にて組織改編が行われ、今年4月から新たに立ち上げられた研究・産学連携推進機構。今回は研究・産学連携推進機構知的財産本部 本部長に就任された神野雅文氏にお話を伺いました。│プロフィールを教えてください。生まれも育ちも京都市です。京都大学在学中に放電・プラズマと照明を専門とする先生に師事したことがきっかけとなり、現在の研究分野に身を投じることになりました。プラズマに関しては、プラズマの医療・バイオ応用の研究が世界的にポピュラーになった2010年頃に、恩師の遺言で『プラズマ遺伝子導入』の研究を引き継ぐことになりました。現在は、多様なプラズマ分野での研究を行っています。愛媛大学に赴任し、採用された研究室が放電光源の研究を行っていたので、そこから照明の研究がスタートしました。│研究・産学連携推進機構の事業と課題について…。知財化で地域貢献の架け橋を創る〜エコシステム構築を通じて実現する未来〜現在、知的財産本部長として、知的財産本部のスタッフや四国地域の大学や研究機関の技術研究成果を民間企業に移転する活動を行っている四国TLOと協力し、学内の研究シーズの掘り起こしから、知財化、知財の管理と実益化、いわゆる知財の有償での譲渡や実施許諾に取り組んでいます。まずは、知財になる研究シーズをできるだけたくさん拾い上げて数を増やすという課題と、強い知財を生み出してその収益で研究を強化し、そこからまた更に強い知財を生み出す循環、まさにエコシステムの構築が課題となっています。│今後の展開について…。先に挙げた、知財の数を増やすことと、エコシステムの構築という課題に着実に取り組んでいきたいと思います。また、地域や地元企業が抱える技術や知に関連する課題を積極的に把握して、これを大学の技術や知で解決することで、地域へ貢献し、また、知財も生まれる、そういう仕組みを作っていきたいと思います。自身の研究は、従来の研究に加えて、新たに文理融合型の取組みを進めています。埋蔵文化財研究センターの柴田先生と協力して考古学の観点では通説とされている縄文時代における来島海峡付近の部族間の歴史を、工学の観点から人工環境下において海上視認性の評価を行っています。従来の人文社会学的手法のフィールドワークとの比較検討から、縄文時代の実態を解明していくことを計画しています。愛媛大学 研究・産学連携推進機構知的財産本部 本部長大学院理工学研究科電子情報工学専攻電気電子工学コース 神野 雅文(じんの まさふみ) 教授学生には、何をするにも楽しみを見つけて取り組んでほしいと望んでいる。趣味はバイクとボードゲーム、アニメ・漫画鑑賞など。漫画やアニメに関しては、昭和の作品は実話に近いベースとストーリーがあり、何時間でも語ることができる、とか。コラム12 当会議所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。愛媛大学研究・産学連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大発のホットな情報を提供します。ぜひ、ご一読ください!       で      をパワーアップ!産学連携 地域経済

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