松山商工会議所小売業部会長の加戸慎太郎です。私たちを取り巻く環境は、目まぐるしく変化しています。特に近年、新型コロナウイルスの世界的な流行によって、まさに社会は大変革を迫られました。少子高齢化、デジタル化への対応が否応なしに加速し、新たな環境でどう商流を起こしていくかという課題に直面しています。しかし、こうした変化の中にこそ、新たな可能性が潜んでいるのです。まず、私たちが取り組むべきは、自らの価値観を見つめ直すことです。世間の常識に惑わされず、自分たちが本当に正しいと信じるビジョンを持つことが重要です。そして、そのビジョンに向かって果敢に行動を起こすことが、変革の時代を生き抜く鍵となります。次に、地域の特性を活かしたイノベーションが求められます。例えば、松山市では韓国からの観光客が増加しています。これは単なるインバウンド消費の拡大だけでなく、文化交流の機会でもあります。私たちは、物質的な消費だけでなく、地域の自然や文化を深く理解してもらうアドベンチャーツーリズムのような新しい観光の形を提案できるのではないでしょうか。さらに、デジタル技術を活用しつつも、人と人とのつながりを大切にする姿勢が重要です。地元で運営する「まちペイ」のような地域密着型のサービスは、単なる決済手段ではなく、地域コミュニティを強化するツールとなり得ます。最後に、お客様との関係性を再構築することが不可欠です。物からコトへと消費の形が変化する中、私たちはお客様とどのようにつながり、どのような体験や付加価値を提供できるかを考え抜く必要があります。変革の時代は、確かに困難をもたらしますが、同時に大きなチャンスでもあります。私たち一人一人が、地域に根ざしたイノベーションを起こし、新たな価値を創造していく。そうすることで、この大変革の波を乗りこなし、さらなる成長へとつなげていけるはずです。持ち前の商人魂と「始める力」を活かして、皆様とともに、この挑戦に立ち向かっていけることを心より楽しみにしております。松山商工会議所小売業部会部会長コラム4チェンジリレーコラム第17回「“始動者”へ~地域に根ざしたイノベーションで、チャンスを掴む~」加戸 慎太郎大変革の時代に チャンスを掴む
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