所報11月号
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建設業界は、技能者の高齢化などにより、人手不足が最大の経営課題となっており、若年層の入職や定着、外国人材の確保、デジタル活用による生産性向上が強く求められています。国土交通省がまとめた建設業及び建設工事従事者の現状によると、建設業で働く労働者の約進んでいるのがわかります。29歳以下の労働者は全体の約11%にとどまっていて、専門的な知識や技術を受け継ぐ若手の育成が肝要です。令和6年4月から働き方改革が全業種に適用される中、建設業界では具体的な対策として労働環境の見直しが進められています。働き方改革関連法の適用により、時間外労働の上限や割増賃金率の増加などの遵守が求められており、今後は業務負担の大きい労働者もより働きやすい環境が整えられるのではないかと予想され、働き方改革実現に向けた業務改善により、建設業が抱える3Kのイメージを払拭し、若手人材の定着を図ることが、持続可能な経営のための第一歩であると思います。また、一方では、世界的な情勢から原料や材料高が続いており、需要増が期待しにくい中で新設物件を確保していくという事業と、バブル期に建設された建物やインフラ設備などの老朽化に伴う修繕、補修等のメンテナンス需要を取り込む事業、新分野への進出事業等の対応が必要です。これからの戦略として、デジタル活用による生産性や付加価値の向上が挙げられます。人口減少や高齢化、競合過多による地域間における市場競争の激化に対し、地域密着型、ソーシャルメディアを活用した集客とブランディングは自社が顧客から選ばれるために認知度の向上や集客、顧客との良好な関係を築くための方法として有効であると考えます。今後は人材不足の解消や労働環境の改革、業務効率の改善など、建設業界が今抱えているさまざまな問題をクリアしていくことが業界全体を通して求められています。国としてもさまざまな取り組みをしていますが、建設業界で生き残るためには、一つひとつの企業が社内の業務改善に積極的に取り組むことが大切です。チェンジ松山商工会議所建設業部会部会長コラム634%が55歳以上であり、高齢化がリレーコラム有光 智幸第18回「これからの建設業界」大変革の時代に   チャンスを掴む

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